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tab谷口昌仁社長に「tabモール」の狙いとビジョンを聞く(下)

2014年12月11日 10:07

 7-1.jpg前号に続き、11月6日に始動したウェブサービス「tab(タブ)モール」のビジョンなどを谷口昌仁社長兼CEOに聞いた。



──取り寄せ店までの送料負担は。
 
 「『tabモール』に出品するブランド側が負担する。消費者に負担はかからず、試着して気に入らなければ買わなくてもいい」
 
──新サービスの収益モデルは。
 
 「当社は受け取り店だけでなく、商品を出品するブランドからもシステム利用料を得ている。ブランドが商品データを『tabモール』に上げると、受け取り店が手を挙げ、取り扱いが増えるというプラットフォームなので、ブランドに商品画像も撮ってもらう。システム利用料は1ブランド当たり月額5000円だ。受け取り店も固定費は月額5000円で、これに商品が売れた際の販売手数料が数パーセントとなる」
 
──元々、「tab」というアプリを展開している。
 
 「アプリは雑誌やテレビ、SNSなどを見て気になった商品を集めておける"お気に入り帳"のようなものだ。アプリ内に『ちょこっと予約』というボタンがあり、実物を見てみたい場合は予約ボタンをタップすると店舗に商品を取り置くサービスを今年3月から始めていて、ニーズは確認できている。ただ、消費者は買い物をするときはウェブで検索するので、『tabモール』はアプリではなくウェブサービスとして開発し、検索からシームレスに買い物ができるようにした」
 
──「tabモール」への集客は。
 
 「『tab』アプリの利用者80万人も活用する。また、20~40代女性にアンケート調査を実施して、実店舗に行く前にウェブで情報を調べるか聞いたところ、74%が事前に調べると回答した。具体的にどういうサイトを見ているかというと、検索結果からの流入も含め、ブランドのホームページが多かった。なぜかと言えば、商品が一番網羅されているからだ。そうであれば、ブランドサイトに『tab受け取り』のボタンをつけるのが効率的なので、出品ブランドにお願いしている。現状はバナーから誘導しているが、将来的には各商品にボタンをつけてもらえたらいい」

──実店舗でのプロモーションは。
 
 「当社というよりも受け取り店となった松屋銀座が積極的にPRしてくれていて、東京メトロの銀座駅から店舗までの地下通路や店舗外壁のデジタルサイネージ、店内のポスターで告知したり、メーンエントランスにはカウンターを設けて新サービスを紹介し、買い物客にはチラシも配布している。また、東京メトロの車内メディアも計画している。受け取り店に来店してもらうためにも商圏内の消費者にサービスを告知することは効率的だ」
 
──「tabモール」の中期的な目標は。
 
 「数字目標は非公表だが、事業展開としては来年春までに渋谷や新宿、池袋、横浜などに受け取り店を設け、来年の冬までには全国の政令指定都市に広げたい。都心よりも地場の百貨店の方が厳しい経営状況に置かれていて、小売りの活性化は極めて重要だ。経産省などは数十年かけてメーカーの生産性向上には取り組んできたが、小売りサービス業は置き去りにされてきた感がある。『tabモール』を活用することで地域の商流の活性化に貢献したい」
 
──海外展開も視野にある。
 
 「百貨店などの商業施設は訪日客の売り上げが伸びているが、旅行者のニーズに応え切れていない可能性があり、もったいない。訪日前に『tabモール』を見て豊富な品ぞろえの中から受け取り予約をしてもらえれば、本来なら店頭にない商品も含めて買ってもらえるチャンスが広がる。来年の冬までにはサイトを多言語対応したい」
 
──商材の拡充は。
 
 「来春には婦人靴と婦人靴だけでなく、大物を除くファッション雑貨やジュエリーなどに広げる。化粧品のニーズで出てきている。受け取り店と商品カテゴリーを広げることで、来年6~7月には単月ベースで黒字化を目指したい」  (おわり



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