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ジャパネットたかた、髙田明社長に聞く「完全引退までの1年は全力で走る」

2014年12月31日 16:06

CIMG5631.JPGジャパネットたかたは1月16日付で社長人事を行い、髙田旭人副社長が新社長に就任する。新社長の就任と同時に同社の創業者で社長の髙田明氏は社長職を退任し、ジャパネットたかたからも退社する。退社後も"1年以内"はテレビ通販番組に出演する方針だが、あくまで組織からは離れた外部からの「個人としての協力」としており、その後は"完全引退"する予定だという。目前に迫った社長退任とその後の去就、ジャパネットたかたの今後などについて髙田明社長に聞いた。(聞き手は本紙編集長・鹿野利幸)

2014年も過去最高益へ
 
――前年(2013年12月期)は売上高は1423億円、経常利益は過去最高額となる154億円と好調に推移したが、2014年12月期の業績はどうだったのか。また、2015年の計画についてはどうか。
 
 「(2014年12月期の)経常利益は170億円を超え、過去最高益を更新すると思う。売上高についても100億円増くらいで着地すると思う。消費増税後の反動などもあり、当社だけでなく、小売業はどこも大変だったと思うが、何とか増収増益が達成できそうだ。当社は"コンビニ型"で商品を絞って集中的に売れ筋を販売していくが、ここ3~4年で取り組んできた商品選定のやり方などが奏功してきていると思っている。2015年は私は社長を退任するため、業績計画には関与していないが、引き続き、しっかりやってくれると思っている」

――1月16日付で長男の髙田旭人副社長が社長に就任し、持ち株会社「ジャパネットホールディングス」と販売の「ジャパネットたかた」、受注の「ジャパネットコミュニケーションズ」、物流の「ジャパネットロジスティクス」、広告の「ジャパネットメディアクリエーション」、修理・アフターサービスの「ジャパネットサービスパートナーズ」の5事業会社で事業を進めていく新体制に移行する。新社長の下で大きく変わっていくジャパネットたかただが、髙田社長の評価はどうか。

 「新社長が描く方針は評価している。これまでも販売だけでなく、アフターケアまでをしっかりとやろうという方針できたが、ジャパネットたかたも規模が大きくなってきた。各部門を事業会社として分社化することで、各業務に特化して責任を持って集中して業務にあたれ、よりブラッシュアップし、レベルを高めることができると思う。その結果、お客様の不安や不満を解消できるようになれるはずだ。大規模な体制変更で最初は苦労すると思うし、大変だと思う。ただ、そこは新社長がしっかりやってくれると信じている。これがしっかりと稼働してくれば、販売からアフターケアまで本当に責任を持てる品質重視の会社になっていけるはずだ」

会社から離れて見守りたい
 
――新社長の就任と同時に、髙田社長は社長職を退任するが、その後はどうするのか。
 
 「会長や顧問、相談役などにはならない。会社には残らず、退社する。私の場合、テレビやラジオ(の通販番組)に出演させて頂いたことなどもあり、"社長のイメージ"が強い。そのようにある意味で特殊なため、せっかく新たな社長のもと、新体制で動き出していくにも関わらず、私が会長などになって、会社に残った場合、様々な弊害を生む可能性もあるからだ。私は"あとを託そう"と決心した。決心したからには、新体制がきちんと機能していくような"環境"を作ることが大事だ。私は一歩引いて、新体制を見守っていきたいと思っている」

――持ち株会社「ジャパネットホールディングス」の役員にも残らないということか。

 「残らない。すべてから退任し、退社する」
 
――12月12日に長崎・佐世保で開催した会合の中で、社長退任後も通販番組の出演は継続すると話していたが。

 「社長ではなくなり、会社からも離れ、会社から給料ももらわない立場となるが、(通販番組への出演は)1年くらいは出ようと思っている。やはり、テレビは当社の中でも核となる事業であり、皆からも少し指導してほしいという話があり、私としてももう少し指導してあげたいという気持ちがあるためだ。ただ、それが2~3年では長すぎると思っており、"1年以内"と決めた。徐々に出演する回数は減らしていくが、1年くらいは出ようと思う。ただ、困っているのは私の"呼び方"だ。これまでは番組内でも"社長"と呼ばれていたが、社長ではなくなるため、皆、呼び方については困っているようだ。『明さん』と呼んでもらおうかと思っているが(笑)」

――これまで佐世保本社と東京事務所内の2つの撮影スタジオで番組を制作してきたが、テレビ通販のテコ入れのため、2014年11月に東京のスタジオをたたみ、本社のスタジオでの制作に一本化している。ここを率いていくことになるわけでこの1年は相当、忙しくなるのではないか。
 
 「そうだと思う。私はやり出したら集中するタイプのため、全力でやっていくことになると思う。テレビ通販は私なしでもしっかりできているが、私から見ると、まだ至らないところもある。この1年をかけて、テレビ通販部門のメンバーたちと一緒になって、"品質"を高めていきたい」

1年後も心配していない
 
――1年後に"ジャパネットたかたの顔"である社長が通販番組に出演しなくなった後、業績に悪影響を及ぼす可能性もあるのではないか。
 
 「一時的にはそういったこともあるかも知れないが、それほど心配はしていない。というのも、新社長の下で始動する6社体制というのは、これまで当社の核の事業であった"テレビ"だけでなく、様々な角度から事業を強化して、テレビだけに依存しない事業体制を作っていくという動きでもある。テレビ通販を中心に考える視点から、別の方向に向かっているわけだ。そのため、それほど大した問題にはならないと思う。また、東京事務所内のスタジオは経営判断で閉鎖することになったが、東京スタジオを開設して得たものは大きかった。東京のスタジオは、これまで私が出演して中心となってやってきたテレビ通販が"私なし"でどこまでやれるのかという試みでもあったが、東京のスタジオを開設していたこの2年間で、東京のメンバーが私から離れて、自分たちで必死で考えて苦労して、試行錯誤しながら番組を作ってきたこと。その経験は確実に生きていくと思う。そうした経験を積んだメンバーは現在、佐世保に集まっており、これから1年間、私とともに切磋琢磨することで、新たなモノが生み出されてくると思う。ここに私は非常に期待している。だからこそ、この1年は気を抜けない1年になると思っている」

"一流"を目指そう
 
――これからの1年間で一番、伝えたいことは何か。
 
「皆には常に話していることだが『"一流"を目指そう』ということだ。一流とは本当の意味でお客様の視点で物事を考えることだ。それぞれが一流になることでお客様にとっての満足度は高まっていくと思う。そのためには社員それぞれが努力して一流になっていかなければならないはずだからだ」
 
――仮に1年たっても、ジャパネットたかたから番組出演を含めた協力を求められた場合はどうするのか。
 
「恐らく、それはないと思う。そうならないために、この1年間やっていくわけだ。無論、未来の予測は誰もできないが、今の時点では、私の気持ちの中では100%、戻るということはない」

今までできなかったことをやりたい
――1年後、引退した後は何をするのか。

  「やってみたいことはたくさんある。旅もしたいし、映画を見たり、本を読んだりもしたい。下手なゴルフも月に2、3回は行きたい(笑)し、昔の仲間とも会いたい。これまでやりたくてもできなかったことをやってみたい。そして、私が引退した後のジャパネットたかたが若手の力でさらに成長していき、それを元気なうちに見ることができたらうれしい」

変化の激しい時代を冷静に見極める
 
――今後の通販市場についてはどう考えるか。

 「予測できる人は恐らくいないでしょう。今の世の中、『地政学リスク』(※ある特定地域の政治的・軍事的・社会的な緊張の高まりが、他地域または世界全体の経済に影響を与えること)で、日々、様々な地域で起こる出来事が日本を含む世界の経済に影響を与えている。そういう中では先を予測できない。我々、事業者は変化に対応しながら、今の環境で消費者が何を求めているのかを見極め、迅速に対応していくほかないのではないか。情勢や変化を焦ることなく冷静に見極めて、できることを確実にやっていかねばならない」
 
――今後のジャパネットたかた、およびジャパネットグループはどうなっていくのか。また、これからどのようになっていってほしいと考えているのか。
 
 「今、申し上げたように変化に迅速に対応して、焦らずに進んで行けばいいと思う。恐らく新社長もそう考えているのではないか。まずは新しい体制をしっかりと固めることに注力して、2年先、3年先を見据えて、進んで行けばよいのではないか。まあ、旧社長がこれからジャパネットを支えていく新社長の方針について、とやかくいうつもりはない。もちろん、過ちがあれば指摘はするが、基本的にはすべて皆に任せたわけで、私は見守っていきたい」
 
――以前、髙田旭人副社長に今後のジャパネットたかたについて聞いたところ、可能性として売上高は『5000億円でも1兆円でもいけるイメージがある』と話していたことが印象的だった。

 「それは頼もしいことだと思う。ただ、その数字を目指すというよりは、ジャパネットたかたが持つ可能性についての話だと理解している。とは言え、『夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし』という(吉田松陰の)言葉もあるが夢を持つことは大事だ。みんなに多いに期待したいと思う」

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