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コードシェアの「フィフス」 2年で年商14億円に、9月に新サイト開設

2015年 4月17日 10:17

031.jpg 衣料品のネット販売を手がけるCODE SHARE(コードシェア)は、女性向けファッション通販サイト「fifth(フィフス)」が2年目(2015年1月期)で14億円を売り上げるなど急成長している。今期はシーズンを細分化したMDに取り組むのに加え、中期的な事業拡大をにらんで新サイトを開設し、「フィフス」とは異なる客層の開拓に着手するほか、ECコンサルティングやフルフィルメントといったBtoB事業にも乗り出す。

 13年4月に開設した「フィフス」は衣料品ECとしては後発ながら、高いビジュアル力とトレンドを反映した品ぞろえで顧客の獲得に成功。売上高は初年度(14年1月)の4億円から前期は約14億円で着地した。利益面は2年目で黒字化を達成したものの、円安の影響を受けて計画値は下回ったようだ。

 MD面では通常のアパレルと同様、季節を先取りした商品を提案してきたが、通販の特徴として消費者はいますぐ着られる服を求める傾向が強く、とくにシーズンの立ち上がり時期は顧客ニーズとのかい離が生じていたという。そのため、今期は実需期に近い商品提案を行う考えで、従来の4シーズンMDから12カ月のMDを組み立てる。

 4月以降、展開商品数は従来の常時100~150点から約200点に拡充する。トップスを中心にアクセサリーなどの雑貨も増やすほか、ほとんど展開していなかった水着や浴衣などのシーズン商材にも力を注ぐ。

 シーズンを細分化したMDを展開するのに伴い、仕入先の見直しにも着手。今夏には中国に駐在員を配して調達ルートを広げるほか、同国でのEC展開を見据えたネットワーク作りも行うようだ。

 集客面は順調で、「フィフス」のサイト訪問者数は1日当たり7~8万人に拡大しており、昨年投入したスマホアプリ経由の購入率も高いが、今期はウェブ集客ツール「カルテ」などを活用して訪問客の離脱防止やリピート化につなげる。

 また、事業規模の拡大に伴って3月1日に都内のオフィスを広げ、1階にはショールームを新設。プレス対応を強化するほか、ファッションショーなどを含めたリアルの場でのマーケティングにも取り組む。

毎年サイト開設コンサル事業も

 一方、中期的な成長をにらんで、今期からはEC事業とBtoB事業(コンサル業務)の両輪で攻める。新たに策定した5カ年計画では、「フィフス」に頼った成長戦略を改め、自社サイトのプラットフォームとノウハウを活用できる通販サイトを毎年1つずつ開設する。というのも、1つのサイトに多くのブランドやテイストが混在することは顧客離れにつながる危険性があることから、セグメント化された客層に合致した通販サイトを開設することで、持続的な成長を目指す。

 新規サイトは9月にオープン予定で、ナチュラル系のカジュアル衣料などを扱って新しい客層を開拓する。ターゲット層は「フィフス」より少し上の20代後半~30代前半に設定。著名なファッションアイコンを立てて展開するという。

 来期以降に新設するサイトは「ファッションに限定しない」(江島晋一社長)とし、1つのサイトで20億円規模の売り上げを作っていく考え。

 BtoB事業では、同社の経営陣はファッション通販モールやブランドの直営通販サイトなどEC立ち上げの経験が豊富で、「フィフス」で得たノウハウも蓄積されていることから、コンサル業務の強化に乗り出す。

 また、「フィフス」の撮影などを手がける外部企業と組んで他社ECのささげ業務を始めており、サイト制作などのフルフィルメント業務もメニューに加えるほか、衣料品以外の商品調達先と協業し新サイトを展開することなども視野にある。

 なお、同社の16年1月期の売り上げ目標は21億円で、そのうち「フィフス」で20億円を計画する。会員数は現状の25万人強に対し40万人を見込んでおり、1つの通販サイトとして"完成形"を目指す。
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