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ベルーナ・安野清社長に聞く「今後の成長戦略」②

2015年 7月23日 15:10

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前回に続き、ベルーナの安野清社長に成長戦略を聞いた。

 低価格帯商品は、新規客獲得のためのフックになる要素も大きい。

 「もちろん、すべてなくしたわけではない。一斉に値上げすれば売り上げに跳ね返ってくるので、微妙なさじ加減が必要だ。低価格商品の中にも、非常に競争力のある商品と売り上げは積めるが採算が合わない商品もある。後者は絞っていったということだ。前者は値上げをしなかったり、逆に増やしていたりするケースもあるが、結果として全体に占める低価格帯の構成比率は下がっている」

 新センター開設による物流費削減効果は。

 「今期は通年で貢献するので増益要因となる。30%程度の効率化が見込める」

 アクティブ顧客や新規顧客獲得数は今期はプラスになるのか。

 「プラスにまで持っていけるかは分からないが、マス媒体やネットで広告を増やす成果は出てくるはずだ」

 受注単価は。

 「若干上がる見通しだ」

 ネットでの新客獲得策は。

 「検索連動広告やアフィリエイト広告、純広告、さらにはSEO対策とスタンダードなやり方だ。若年層だけでなくミセス層も狙っており今期からテコ入れしていきたい」

 若年層向けの売り上げが落ちているが。

 「ミセス層、若年層双方伸ばさないといけない。若年層の顧客は定着させるのが難しいので、いかに採算を合わせながら伸ばすかが重要だ。以前のように拡張最優先で採算は後で考えるというやり方ではなく、採算重視で売り上げも積み増していく。以前は新規獲得人数にこだわってきたが、今は売り上げありきではない。要は筋肉質化してきているということだ」

 ミセス層向けのネット販売については。

 「徐々にだが拡大はしているので、今期もしっかりと取り組みたい」

 ブランド品を優待価格で販売する通販サイト「ゴシップワールド」が赤字を出した原因は。

 「事業スキーム自体が市場に則した形ではなかった。低い利ざやでブランド品を売るという仕組みそのものが難しかったし、高価格帯商品ということで当社の顧客層にもあっていなかった。また、新規を獲得し事業を育てるというイメージだったが、非常に苦労した」

 ネット販売の今後の取り組みは。

 「これまでは基本戦略の徹底が不十分だった。例えば検索連動型広告であれば、ルールを作っているのはグーグルだが、どのように基準を決めているかなど、業界構造をきちんと捉えきれていなかった。また、ネット販売を紙のカタログの延長線上と捉えるのではなく、ネットだけでも通用するようにしていきたい」

 専門通販事業は。

 「まずまずだが、化粧品のオージオと健康食品のリフレが苦戦した。やはり競争が激化しており、それに対応できなかったことが大きい。今期は反転攻勢したい」

 オージオとリフレは売上高100億円が目標だが見えてこない。

 「商品力には問題がなく、今後はテレビをもっと活用していきたい。テレビの活用があまりうまくないので、両社ともにそこがポイントになるだろう。まず、オージオでは芸能人をキャラクターとして起用することを考えている。露出を増やした4、5年のうちにはそれぞれ100億円に到達したい」  
 (つづく)

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