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ベルーナ・安野清社長に聞く「今後の成長戦略」③

2015年 7月30日 10:06

 2-1.jpg前回・前々回に続き、安野清社長にベルーナの成長戦略を聞いた。



──旧レモールから事業を継承した2社は。
 
 「ナース向け通販のアンファミエは、旧レモールが資金難だったこともあり、規模が縮小傾向にあったが、今期は増収を見込んでいる。ベストサンクスは前期、赤字となったが、前期の下期からコスト管理に取り組んでおり、筋肉質な体質となりつつある。四半期ごとには赤字幅が少なくなっているので今期は黒字にしたい
 
──ベストサンクスが赤字の要因は。
 
 「全体的なものだ。人員過多になっている部分もあった。商品は徐々に中価格帯を増やしており、SKU数も制御しきれる範囲に抑えた。マタニティーからキッズまでたくさんの媒体があったので不採算媒体は整理しネットのみの展開にするといった施策を行った
 
──アンファミエは。
 
 「ポテンシャルは非常に高いので、資金力がバックにあれば伸ばしていけるのではないか
 
 「専門通販事業については、今期は売上高357億5000万円、営業利益18億5000万円を見込んでいるが、ともに上方修正したい
 
──店舗事業に関して、アパレル店舗の売上高は約20億円となった。
 
 「前期末の店舗数は33だが、今期は65~67で落ち着く予定だ。来期末には売上高100億円を突破して、赤字を作らない体制にしたい。今のところ、新規出店数に対して既存店が少ないので赤字にはなっている。不採算で閉店したのは前期が1店、今期は3店の予定だ。課題は人員の確保。来期以降の黒字に向けて事業を拡大したい
 
──大型店の予定は。
 
 「いずれやりたいが、大型店だとメンズも扱うなど実験的な取り組みも必要となる。ただ、ちょうど良い物件が少ないのが悩みだ
 
──店舗専用商品は。
 
 「現在は全体の30%程度だが、いずれ50%まで高めたい。カタログ通販は旬の商品を扱いにくいが、店舗専用商品はそこをカバーできる。シーズン前半は通販商品が売れるが、後半になると弱くなるので、トレンドを取り入れた店舗専用商品を投入している。新センターができたことでこうした商品もスムーズに供給できるようになった
 
 「店舗が全国規模で拡大しており、今後は物流費がネックになってくるため、西日本にも物流センターが必要ではないかという議題は上がっている。カタログ通販とネット、店舗のシナジー効果、つまりオムニチャネルを実現したいが、それにはもっと店舗のネットワークを広げないといけない。また、いずれは海外にも出店したい。中国、インドネシア、タイなど、可能性のあるところは実験的に出店し、その結果を踏まえて検討していく
 
──ファイナンス事業では消費者金融の融資残高が伸びている。
 
 「今年3月末の融資残高は約150億円だが、次期3カ年計画の最終年度には300億円まで伸ばしたい。競合があまりなく、消費者金融事業はノウハウを貯めるのに時間が掛かる。過払い金返還も落ち着いてきたので、安定した収益源になる。将来的には融資残高1000億円を目指す。キャパシティーの問題はあるが、ネットや折込チラシ、新聞など、媒体にこだわらず広告を積極展開して事業拡大を図る
 
──不動産のプロパティ事業ではホテル事業の強化を進める。
 
 「関係会社が取得したホテルが好調なため、ベルーナ本体でも沖縄・福島・長野(軽井沢)・京都・大阪でホテル運営を手掛ける予定だ。3月にはスリランカに高級リゾートホテルを建設することを発表したが、モルジブなどさらなる海外でのリゾートホテル展開も計画している
 
──次期経営計画を達成するためには総合通販の強化が不可欠だが、そのために必要なことは。

 「根性かな(笑)。もちろん、数字の裏付けは必要だが、その上で根性を発揮しないと。在庫のロスを減らすためには回転を良くしていく必要があって、そのためにSKUを絞っている。色・サイズを減らすとコントロールしやすくなるので、回転は良くなるはずだ。商品評価損や在庫処分損の金額が下がり、利益増につながる

 「売り上げ増は採算を合わせながらいかに新規を獲得するかがカギだ。一方でブランド強化のためにテレビCMも活用してきたい。また、ネット販売についてはネット単独で売り上げを作っていく。そのためにはネット専用商品を強化したい」   (おわり

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