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消費者庁、日本イルムスに措置命令

2015年11月12日 17:07

消費者庁は11月10日、即席スープの通販などを行っていた日本イルムスに対し、景品表示法に基づく措置命令を下した。全国の牛乳販売事業者を通じた、いわゆる"集金ルート"で配った折込チラシで痩身効果を表示していた。

 対象となった商品は、「薬膳めかぶスープ」「薬膳めかぶスープ極」。1年(昨年2月から今年1月)で約4500万円を売り上げていた。民間信用調査機関の調べによると、同社の前期(2015年1月期)の売上高は、約5億3000万円。

 表示は、全国の牛乳販売事業者を通じて配布した折込チラシで行われていた。「超低カロリーだから、無理な食事制限なし!1日1杯でOK!」「無理な運動や食事制限の必要はありません」などと表示、あたかも商品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく、痩身効果が得られるかのように表現していた。

 消費者庁では、合理的根拠の提出を求め、資料は提出されたが、「商品を使ったヒト試験データはなかった」(食品表示対策室)として認めなかった。

 措置命令を受け、同社は「真摯に受け止め、管理体制の一層の強化を図り、再発防止に社員一同努めていく」とコメント。通販サイトは、「準備中」となっており閉鎖中。現在、表現の見直しを進めているという。今後、社員教育や外部の専門事業者に表示のチェックを依頼することも検討する。

 今回、チラシは集金ルートを使って配られていた。通販では、知られたルートの一つ。ほかに新聞販売店やプロパンガスの販売店を使ったものなどがある。各事業主のカバー範囲は小さいが、全国の事業主をネットワーク化できればインパクトを持つ。日本イルムスと関係のあった広告代理店も「牛乳販売店ルートで売れていると聞いていた」と話す。

 なお、消費者庁による措置命令は、今年5月を最後に行われておらず、半年ぶり。今回の事案も「調査」自体は、公正取引委員会地方事務所(近畿中国四国事務所)が担当。調査の端緒の発見を含め、実質的に対策室が主体的に動いた案件といえるかは分からない。過去数年の執行状況をみても措置命令の間隔が半年以上空くのは考えにくいことだが、食品表示対策室では、「特段の理由はない」(同)としている。
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