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岡本洋明社長に聞く「ジェネパの現状と今後は?」 越境EC拡大に意欲

2016年 1月22日 10:38

021.jpg インテリアや生活雑貨、食品などのネット販売を手がけるジェネレーションパス(ジェネパ)では中国向け越境EC事業の拡大に意欲を見せている。昨年から海外メンバーを多数獲得したほか、売り場の拡大も検討。今後は日本食材などの販売を強化し、2年以内に越境EC事業の割合が国内事業を上回ることも見込んでいる。今後の詳しい展望について岡本洋明社長に話を聞いた。(聞き手は本紙記者・山﨑晋)

――前年が10カ月の変則決算ながら、今期(16年10月期)の連結売上高は前年比約1・8倍の75億円と大幅増を計画している。

 「EC市場そのものの拡大が見込めるというのが一番の理由だが、加えて越境ECの売り上げが大きく膨らむことは間違いない。現時点では国内ECと同じセグメントだが、来期には中国以外も含めた『海外事業部(仮)』として独立させたい。現在台湾、ベトナムなどをリサーチしている」

――昨年11月末に上海政府傘下の企業が経済特区で運営する中国向け越境仮想モール「KJT」に出店した。

 「オペレーションが苦しくなるのであえて『独身の日』の後に出店した。継続的な成長を考えるとスタート時に売り上げのピークを持ってくることはしたくなかった。今は本当に右肩上がりで、倍々で伸びている。

 日用雑貨が極端に売れるが、一過性のものであり商材集めも大変になるのでそこまでは望んではいない。むしろ、日本で複数の仮想モールで多店舗展開しリアルな売れ筋商品などのビッグデータがあるので、中国でもそれをベースに商材を集めている。1月末にはKJT店舗の中で商品数がトップになる見通し」


――今期の注目商材は。

 「一番力を入れたいのは日本食材。(大手農事組合法人の)和郷園と組んで安全な日本生産品として認証された収穫品を売りたい。中国では農薬を洗う"食材洗剤"が一時的に売れるなど、いまだ現地の食材に対する消費者の不安は高い。果物といった日本産農作物は現地では高級百貨店などでしか扱っていないが、日本価格の2~3倍以上などかなり割高。一部富裕層には売れているが、その手法は日本商品のブランド力を下げるだけ。当社では配送費を考慮しても1・5倍以内に抑えている。定期購入品としても横展開したいので誰もが手軽に買えるようにしたい」

――関係部署での人員増強などは。

 「昨年から中国越境ECに関する投資はかなり行った。去年1月時点で中国語を話せる人員は皆無だったが現在は8人おり、近いうちに13人くらいまで増えることになる。人件費は経費としてもかなりの割合になると思う。海外からの留学生は日本人よりもハングリーな若者が多い印象。越境EC向けの業務がメーンとなるが国内の通常の受発注業務なども任せている。18年までには社員200人の内、3分の1を海外のメンバーにしたい」

――中国向けの他の越境仮想モールへの出店予定は。

 「今期中に『Tモールグローバル』や『京東集団』にも出店する。越境ECはほとんどまっさらな状態なので、今年仮に中国事業の売上高が10億円となればその後は加速する。2年後には国内事業を超える割合になると思う。国内事業で100億円に近づく一方、中国だけで100億円を超えることもあるだろう。今、中国株の動きを懸念する向きもあるが、一般消費者にはそこまで関係がない。ビジネスに携わっている人間にとってあれだけの巨大市場は無視できない」

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