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集英社「通販事業好調の要因は?」㊤ 前期の通販売上は55億円に

2016年 6月23日 15:41

 集英社の通販事業が好調を維持している。2106年5月期の通販売上高は計画通り、前年比約22%増の55億円で着地し、今期は70億円強を目標とする。同社の好調要因について見ていく。

 前期は、昨年9月に主力通販誌「エクラプレミアム」以外の通販ページをすべて掲載する「フラッグショップカタログ」(年2回発刊)の名称を「フラッグショップマガジン」に刷新するとともに、マガジン用の独自ページを展開。発行部数も従来の6万部から10万部に増やした。

 今年3月発刊の第2号では、ヨンアさんを表紙モデルに起用(画像)。ヨンアさんが登場する巻頭企画を中心に在庫を積んで臨んだほか、バッグなどを手がける「トプカピ」とのタイアップページも展開した。

 巻頭ページでは、キャリアファッションを提案するブランド「ベイジ〓」のノーカラージャケット(税別3万9000円)などがよく売れたほか、通販顧客の声から生まれたオリジナルブランド「スアデオ」の提案ページでは袖ボリュームブラウス(同6900円)が大ヒットとなるなど、幅広い価格帯で成果が得られたようで、同マガジン発刊効果による売上高は、リニューアル号の2億円に対し、第2号は目標の3億円を達成した。

 次号の秋号では、「フラッグショップマガジン」用の独自企画を増やすほか、ファッションブランドとのタイアップページも強化したい意向だ。また、同マガジンを送っている上位10万人の平均客単価は会員全体の倍以上となる約3万1000円と高いことや、マガジンを通じたヒット商品も出ていることから、取引先ブランドの協力を得ながら、さらに在庫を確保して臨みたい考え。

 また、「フラッグショップマガジン」ではコンセプトや商品カテゴリーを絞った増刊号にも着手。今年5月下旬には、時代に流されないファッションの定番商品40点を提案する「スタンダードブック」を発刊し、上位顧客3万人に配布したほか、6月中旬にはネックレスやブレスレットなど14アイテムを紹介する「ジュエリーブック」を増刊号として展開した。

 ファッション通販サイトは新着商品が多く、定番商品が埋もれてしまう傾向もあることから、使い続けても古くならないアイテムを紙媒体やサイトのコンテンツとして展開することで再度、需要喚起する。「スタンダードブック」は成果が得られれば、今秋にも第2号を発刊したい考え。

 一方、集英社のファッション誌に紐付いた売り場として急成長しているのが「LEEマルシェ」だ。同社が選定するファッションアイテムやブランドの別注商品だけでなく、LEEオリジナルブランドの「トゥエルブクローゼット」や雑貨など複数の柱がそろったことで、売り上げが読める主力ビジネスのひとつになった。

 今年3月中旬には「LEEマルシェ」から雑貨に特化したカタログ「定番、雑貨の本。」(10万部)を創刊。巻頭で"ワザあり家電"を特集するなど、初めて大々的にトースターやコーヒーメーカーなどの家電を扱い、手応えを得ている。

 また、「LEEマルシェ」では10周年を記念したポップアップストアの展開に積極的で、今年3月以降、TSUTAYAとタッグを組み、横浜みなとみらい店に雑貨コーナーを設けたほか、5月中旬からは「枚方T―SITE」内に3カ月間のショップを開設中だ。加えて、秋には大手百貨店や商業施設への出店も計画している。(つづく)

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