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千趣会 ジュニア・ティーン向け媒体の戦略㊤ トレンド感と母親目線を重視

2016年10月13日 17:57

031.jpg 千趣会は、小学生と中学生のジュニア・ティーン世代に向けたファッションカタログ「Junior&Teens(ジュニア&ティーンズ)」(A4判・104ページ)を8月30日に創刊し、当該層へのアプローチを強めている。

 同社では、従来から子供服・用品のカタログ「チャイルド」の後半部分と裏表紙でジュニア・ティーン世代向けの衣料品を展開していたが、「チャイルド」は対象顧客層が3歳から中学3年生までと広かったほか、ベルメゾン会員とその子どもの年齢が徐々に上がっているため、大きな子どもがいる顧客も買い物がしやすいように単独のカタログとした。

 以前であれば"子供服は子供服らしく"という風潮が強かったが、最近ではジュニア、ティーンと年齢が上がるのに伴い、当該層の衣料品市場にもレディース衣料のトレンドが入ってきており、背伸びをしてお姉さん向けブランドを選ぶ消費者もいるため、千趣会ではレディース衣料のトレンドを適度に取り入れつつ、ジュニア・ティーン世代の身体のサイズに合う商品を提案する。

 新カタログでは、裏表紙でメンズ衣料も展開しているが、とくに女の子は服に対する関心が高く、おしゃれのスキルも高まっているため、実際に着用する女の子がおしゃれになれる媒体、ブランドであることを発信するほか、物作りにおいては、"母親目線"も大事にしている。

 これまでの「チャイルド」の服は、20年以上も前に設定されたJIS規格に合わせてサイズ展開していたが、今回は現代のジュニア・ティーン世代の体型に合わせて女の子向けのサイズ設定を刷新。子どもを集めて3Dボディスキャンで身体の124カ所を計測し、同社独自のサイズ規格を設けた。

 実際に計測した結果、今の女の子は20年前と比べて腰の位置が上がっていたり、バストが大きかったり、手足が長いなどといった違いがあったようで、見た目のサイズはJISの範囲に納まっていても、細かい部分のパターンのとり方などをマスターパターンに合わせて修正している。

 「チャイルド」では、110センチをマスターサイズとして150センチまでの服を作ってきたことから、第二次成長期の身体の変化には十分に対応できていなかったが、事前のヒアリングでは第二次成長期で対象人数が一気に増える150~160センチの間でサイズに困るという意見があったという。

 そのため、従来の140センチと150センチ、160センチの3サイズ展開を見直し、135~145センチと145~155センチ、150~160センチ、155~165センチというサイズ分けにすることで、ボリュームゾーンへの対応力を高めた。

 素材についても、ジュニア向けの服は綿100%にこだわったほか、遊びに行くだけでなく学校にも着ていくことから、派手になり過ぎず、ポケットがしっかり付いていたり、スカートが少しめくれてもインナーパンツが付いていたりと、「母親も安心できる要素を盛り込んだ」(黒木愛子・商品開発本部アウター開発部育児商品開発チームバイヤー=写真)という。

 また、ジュニア世代にもトレンドを適度にとり入れることで、おしゃれに敏感な女の子が満足できるファッションアイテムを提供しているが、当該層はおしゃれを始めたばかりの年頃で、「どういう風に着ればいいのか分からない」といった声がアンケートからも分かったため、カタログではモニターが選んだ人気コーディネートのランキングを掲載しているほか、通販サイトでは中学生向け雑誌「ニコラ」に掲載された着回しコーデを紹介するなど、スタイリングの参考になるコンテンツを設けている。
(つづく)
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