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後払い決済の導入状況を調査・本紙とネットプロテクションズ 導入率は62%に、ここ数年でアウトソーシング増加

2016年12月26日 16:04

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後払い決済の導入率は62%に。通販新聞社と後払い決済サービスのネットプロテクションズはこのほど、後払い決済導入企業に関する調査を共同で行った。本紙2016年8月4日付掲載の「第66回通販・通教実施企業売上高ランキング」の上位300社の後払い導入状況を調べたもので(16年11月時点における各社の導入状況)、後払いの提供が困難と思われるデジタル家電や高額ブランド品などを扱う企業を除いた247社のうち、62%に当たる153社(自社後払い企業含む)が導入済みだった。さらに導入済み企業でアウトソーシングする企業の61社のうち6割を超える39社がネットプロクションズの「NP後払い」を利用していることが分かった。

「通販・通教実施企業売上高ランキング」上位300社での後払いをアウトソーシングする企業は、12年頃から増えている。自社オペレーションの場合、間接コストがかさみ、それを削減するためにアウトソーシングを利用する傾向が見られており、特に大手のメーカーなどは一般消費者を対象とする通販でも法人と同等の与信を行うことも求められることがあり、コスト負担と未払い発生のリスクの解消のため、アウトソーシングするケースが多いと見られる。また、アウトソーシングすることで、負担が減りマーケティングや製品開発などに時間を費やせるようにしたいというニーズも増えているようだ。

 一方、ネットプロテクションズがシェアを高めている要因として、手数料となる商品価格に対する「料率」を重視する傾向から、「与信の通過率」や「企業のブランドイメージを損ないかねない督促」などを一層重視するように変化している可能性が高いようだ。ネットプロテクションズは「上限金を超えている」「まだ支払っていない支払期限の分がある」などの利用不可の消費者へ明確な判断理由を示すようにしていることも導入企業が増えている理由と見ている。

 ネットプロテクションズのNP後払いは累計の利用件数は、15年度で7000万件だったのが16年度には1億件に達する見通しという。2年前の14年度の5000万件と比べて倍増することになる。ここ数年でいかに導入先、利用者が大幅に増えているかが窺える。

 後払い市場は飽和状態にあるとの見方がされることもあるが、38%に当たる94社が未導入。さらに今後は自社で後払いを提供している企業からのアウトソース需要も多くなると見られる。

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 ネットプロテクションズは後払いのパイオニアとしての先行者メリットを有するとの見方ができるが、一方で同社が上位300社を取り込んできたのはここ2~3年のこととしている。これまでに後払い決済事業の実績で積み重ねてきたノウハウやデータに裏打ちされたサービス品質が、ここに来て大きく評価されるようになっていると見られる。

 なお、後払い導入企業の取扱商品を見ると、美容・健康が83%(アウトソーシングと自社の合計)で最も高い。またファッション・アパレルも62%(同)と過半数になっている。自社後払いの企業を除くと、アウトソーシング先はネットプロテクションズが2ジャンル以外の商品群も含めたいずれでもトップになっている。

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