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ファンケル 子会社を吸収合併、全体最適で効果的な戦略実行へ

2017年 1月20日 13:02

 ファンケルは4月1日付で100%子会社のファンケル化粧品とファンケルヘルスサイエンスを吸収合併する。2014年4月に移行した持株会社体制を解消。同日付で、ファンケルの代表取締役社長執行役員CEOに取締役専務執行役員グループサポートセンター長だった島田和幸氏が就任する。中期経営計画の達成に向け、グループが持つ強みを活かしつつ、市場環境の変化に合せて柔軟に戦略実行できる体制に変える。1月16日開催の取締役会で合併とこれに伴う役員の異動を決議した。

 現在、代表取締役社長執行役員COOを務める宮島和美氏は、取締役副会長執行役員に就く。

 また、代表取締役会長執行役員グループCEOの池森賢二氏がCEO職を退き、代表権のある会長に、代表取締役副社長執行役員だった田多井毅氏が代表権のない相談役に退く人事も発表した。

 ファンケルは13年1月に創業者の池森氏が経営に復帰して以降、経営改革を実施。14年4月から持株会社体制に移行。基幹事業である化粧品、健康食品事業を各事業会社で展開していた。

 持株会社体制への移行は、各事業の自律性、専門性を高め、事業ごとに責任の所在を明確にすることでコーポレートガバナンス強化による経営の高度化を図ることが目的だった。結果として各事業でブランドイメージの確立が進むなど成果を得、新規顧客の開拓や既存顧客との関係性強化など顧客の深耕が進んだ。

 また、中期経営計画の達成に戦略的な広告投資による売り上げ拡大も推進。16年3月期にグループの連結売上高は、前年比17%増の約908億円、化粧品事業は同約16%増の約550億円、健食事業は同約23%増の約286億円と好調に推移する。

 各事業の専門性が高まった一方、消費動向や競争環境など変化する経営環境に合わせ、総合的な観点から柔軟に戦略実行することが難しくなっていた。スピード感のある経営が求められる中、全社一丸となって中期経営計画の達成に取り組む体制を構築していく。

 広告投資の面では、事業単位ではなく全体最適による効果的な戦略を実行していく。組織体制や人材配置における重複も解消していく。販売戦略面でも親和性の高い両事業で「内外美容」の提案を行うなどグループ全体が持つ強みを複合的に活かす取り組みを強化していく。

 合併は、ファンケルを存続会社とする吸収合併方式で、ファンケル化粧品、ファンケルヘルスサイエンスは解散する。

 15年度(16年3月期)を初年度とする3カ年の中期経営計画では、先行的な広告投資で売り上げ拡大を図り、18年3月期に連結売上高で1250億円、営業利益100億円の達成を計画。化粧品は年率12%の成長率を目標に667億円、健食は同25%の成長率で460億円の売り上げを目指している。

新社長に島田氏、中計達成へ「司令塔」的役割

021.jpg 島田和幸氏は、1955年12月20日生まれの61歳。広島県生まれ。79年に同志社大学法学部を卒業後、ダイエーに入社。94年に社長室秘書部長、99年に社長室副室長を経て01年にマルエツに入社した。マルエツでは、総務室コンプライアンス法務部長、経営戦略室秘書部長を経験。03年7月、ファンケルに入社した。

 ファンケルでは経営戦略本部新規事業部長、同経営企画部長などを経て、07年6月、取締役執行役員経営戦略本部長兼経営企画部長に就任。10年5月に取締役執行役員管理本部長、11年6月に取締役常務執行役員管理本部長、13年に取締役常務執行役員グループサポートセンター長を経て、15年6月、取締役専務執行役員グループサポートセンター長に就任していた。

 ファンケルでは長く経営戦略の立案に携わってきた。13年、池森賢二会長が経営に復帰してからはその理念や戦略を具体化し、各事業部門の調整や中・長期的な戦略の立案により舵取りをする参謀的な役割を果たしてきた。

 15年4月にスタートした中期経営計画の達成では、変化する市場環境に合わせ柔軟な戦略実行が求められている。今回、代表取締役社長執行役員CEOの就任によりその着実な推進役として司令塔の役割を果たす。今後は、島田社長と池森会長の二頭体制で中期経営計画の達成に取り組む。

 取締役副会長執行役員に就く宮島和美現社長は、日本通信販売協会の会長(10年6月~12年6月)として協会改革を進めたほか、これまで国で行われてきた機能性表示食品制度の検討会で二度にわたり検討委員を務めるなど業界の発展に向けた対外的な活動に尽力してきた。副会長に就任後は、豊富な知見と政官財との太いパイプを活かし、渉外活動や業界発展に向けた活動で手腕を発揮していく。

 ファンケル化粧品、ファンケルヘルスサイエンスの吸収合併に伴う組織再編、人事異動は決まり次第発表する。
 





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