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出版社の通販戦略② 世界文化社編ーーネット受注30%へ 

2010年 6月28日 10:57

4kata.JPG 「受注チャネル」から「ブランディングサイト」へ。
 世界文化社(本社・東京都千代田区、鈴木美奈子社長)では、ネット販売の強化を推進している。大日本印刷C&I事業部と連携し、今年の4月22日、自社通販サイトや主力雑誌「家庭画報」公式サイトを大幅に刷新。これまでカタログの読者しか利用できなかった通販サイトを、「家庭画報」本誌や他サイトと連動した「ブランディングサイト」に変貌させることで、顧客のロイヤルカスタマー化を実現する計画だ。出足は、開始から20日間で当初目標の月間1100万円の受注をクリアするなど好調に推移。まずはカタログ顧客のネットへの誘導を進める考えで、通販サイトの受注比率を現在の2・5%から2012年10月までに30%まで高める構想を描いている。

 刷新したのは通販サイト「家庭画報ショッピングサロン」と家庭画報公式サイト「家庭画報.com」で、新たにコミュニティサイト「家庭画報コミュニティ」も開設。「コミュニティ」では上顧客同士が交流する掲示板や新商品の開発コーナーなどを設置した。

 「家庭画報.com」「家庭画報ショッピングサロン」には水先案内人となる「コンシェルジュ」を置いた。コンシェルジュは「家庭画報」元編集長の今井朗子副本部長で、特集企画や商品の紹介、自ら目利きした商品の解説を行っている。

 通販サイトは、カタログの商品番号を入力する形式から誰でも利用できる仕様に変更。サイトへはネット広告のほか、外部から獲得したコミュニティサイトのユーザーを誘導するなどしてリピーター化を図っていく。

 また、季節に合わせた「ネット限定」企画を展開するほか、商品ランキングやバイヤーの「こだわりセレクト」など、コンテンツの充実を具現化。「目新しさを出してユーザーを惹きつける」(通販事業本部副本部長・竹間勉氏)考えだ。

 ネット限定商品は現在は数点だが、家庭画報本誌との連動企画として、8月から誌面で紹介した商品をサイト限定で購入できる取り組みに着手する。感触をみてカタログにも落とし込む計画だ。

 同社ではブランディング計画として、(1)既存読者をサイトへ誘導(2)新読者の獲得(3)新ビジネスモデルの確立を段階的に行う。このうち現段階の(1)では、カタログや本誌で告知するほか、チラシを入れるなどして誘導を促進。現在は「FAX利用者がネットに以降している」(同)状態だが、今後より告知を積極化して電話受注の顧客へネット利用を浸透させる考え。

 これらの施策を進め、まずは10月の第1段階終了時点でネット売り上げを1億円にする。最終的には「10億円まで引き上げる」(同)構えだ。
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