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ヤマトロジスティクス、ペット商品通販サイト展開の狙いは①

2010年 6月28日 11:22

7kata.jpg ヤマトロジスティクス(YLC)は、通販事業者向け物流支援の「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)を活用した新サービスの開発を進めている。この一環として展開するペット関連商品の通販サイト「ペットライフサポート」では、複数のメーカーの参画によりペットフードなどを販売、「TSS」の仕組みを使った最短4時間の商品配送、商品同梱配送などで消費者のペットライフを支援する。将来的には他のカテゴリーでも同様の展開を構想しており、メーカーや通販事業者に新たな販路として活用してもらいたい考えだ。

 YLCが運営する「ペットライフサポート」の開設は昨年12月。消費者のペットライフの支援を基本コンセプトに、メーカーや通販事業者が利用できる新たな販路作りを目指したもので、現在の参加メーカー数は約15社、取扱商品数はペットフードやペット関連グッズなど約650品目となっている。まだテスト段階であるため、現状YLCが参加メーカーから商品を仕入れて販売する形になっているが、「当社自身で物販を行う気はない」(星野芳彦常務執行役員)としており、運営が軌道に乗れば、参加メーカーに販売主体となってもらい、YLCは売場やフルフィルメント機能の提供に特化する考えだ。

 一方、「ペットライフサポート」の特徴は「TSS」の仕組みを活用している点。現状「TSS」のスキームにのっているのは、商品の在庫拠点がある中部地区のみで、他の地域は原則翌日配達になるが、中部地区では受注から最短4時間で商品を届けることでき、特に消耗品であるペットシートなどが「4時間配送にマッチしている」(クイックロジカンパニー・船越宰ゼネラルメンージャー)。通常、ペットシートを購入する場合、ホームセンターなどに足を運ばなければならず、購入した商品を持ち帰る手間もある。これに対し同サイトは自宅にいながら商品を注文でき、「輸送代理の機能も果たしている」(同)という。

 また、YLCでは「TSS」を商品同梱のインフラとする構想を持っているが、その布石として「ペットライフサポート」でも商品同梱サービスを提供。「TSS」は専用の物流拠点に商品を在庫し、梱包・出荷する形になっており、同一の顧客から同じ物流拠点にある別々の商品の受注があった場合、同梱して商品を届けるという仕組みだ。

 同サイトでは、同梱対象となる商品をYLC側でコーディネイトし、購入金額2800円以上の複数商品の注文についてサービスを提供。因みに参加メーカーの基本的な利用料金は、「作業料や運賃、サイト運営費等の実費」(星野常務執行役員)で、同梱部分については、セットする商品の数に応じた料金設定としている。

 YLCが同梱サービスに力を入れる理由の第一は、顧客が注文した商品を1回で受け取ることができるという利便性。また、「TSS」を利用する一つの荷物に複数の商品を同梱するため参加メーカーの配送コスト負担が低減され、YLC側も梱包作業等のコストも抑えられる。参加メーカーのコスト負担を低減し、その分商品を安く提供することができれば、同サイトの利用顧客や参加メーカーの増加が期待でき、同梱等のサービスも拡充しやすくなるわけだ。

 「TSS」の仕組みを活用し、メーカー・通販事業者向けの新たな販路作りに乗り出したYCL。その布石となる「ペットライフサポート」の展開で、今後ポイントとなる取り組みを本格化させる構えだ。(つづく)

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