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フェリシモ、“部活”に手応え、顧客と深い関係構築、ユニークな価値生み出し収益化

2019年 3月28日 18:14

 フェリシモの2019年2月期第3四半期業績は、売上高が前年同期比2・6%減の208億6300万円、営業利益は同58・8%減の1億8800万円で減収減益だった。近年は売り上げが漸減傾向にある同社だが、新たに「クラスター&トライブ戦略」を打ち出し、反転攻勢を狙っているものの、第3四半期の段階では、主力となる定期便(コレクション)事業の延べ顧客数が減少したことで売り上げも減った。新戦略の進捗はどうなっているのか。

 
 同社では近年、売り上げを大きく減らしている。同社の中核となるのは色・柄・デザインの違う商品が毎月1回届くコレクション(定期便)事業だが、継続顧客の減少が続いているのが減収の大きな要因だ。

 低迷を打開すべく、同社が打ち出したクラスター&トライブ戦略は、「ニッチではあるが確実にファンがいる商品やサービスを立ち上げる」というもの。ニッチなだけではなく、新しい切り口からの価値提案を行うのが特徴だ。最終的には500個のクラスターを作り、1個あたりのクラスターを10億円程度の売上規模まで育てるのが目標となる。

 戦略の進捗はどうなっているのか。宮本孝一執行役員経営企画室本部長は「クラスターを設計するためのノウハウ、生み出すための仕組みづくりについて、実際にクラスターの種を見つけ、育てるプロセスを実践しながらノウハウを蓄積、再現性を高めるための仕組みの設計を進めた」と前期を振り返る。

 現在は「部活」という名称でクラスター&トライブ戦略を推進しており、「フェリシモ部活」というウェブサイトを今年立ち上げた。昨年1年間で約10個の新たなクラスターが生まれ、クラスターの「種」に関しても豊富にあるという。

 クラスターの核となるのは、「こういう世の中を作りたい」「こういうことが好きでたまらないから広めたい」という強い想い。宮本執行役員は「こうした想いを持つ人は、社外にもたくさんいることが分かってきた。現在のクラスターは社内発がメインだが、社外の方たちともクラスターづくりについて推進していきたい」と話す。

 クラスターを設計する上では「フラッグ」を立てることを重視している。「こんな社会を作りたい」というフラッグを立てた上で、クラスターを構築する。「どんなフラッグがいいのか」など、さまざまなディスカッションをしながら事業として形にしていくのだという。

 こうした形で生まれたクラスターが「部活」のウェブサイトに掲載されている。現在のところ、26の部活がサイトで紹介されているが、最も知名度が高いのは「猫部」だろう。「猫好き」というユニークな切り口から、個人の喜びの源になるニーズを切り取り、そこからマーケティングを展開。これまで数々のヒット商品を生み出してきており、固定ファンも多い。

 さらには、これまでカタログとして展開してきた、手作り雑貨の「クチュリエ」や、ファッションの「イディット」も部活の1つとなっている。「『物販』という形で築いてきた顧客との関係性をさらに1ランク上げ、皆で『部員』として価値も作り、一緒に楽しむというサイクルを生み出していきたい」(宮本執行役員)。

 
 
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