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【イーベイジャパンの佐藤丈彦戦略本部長に聞くQoo10の強みと今後の課題㊦】 投資の優先順位が明確に、テレビCMの活用に手応え

2019年 4月 4日 13:50

 前号に引き続き、仮想モール「Qoo10」を手がけるイーベイジャパンの佐藤丈彦戦略本部長に、今後の成長戦略や他の仮想モールとの差別化策について話を聞いた。

                      ◇

 ――国内モールとしては後発組だが、そのデメリットやメリットとは。

 「国内で『ビック3』と呼ばれているような他のモールは2000年代前半に市場参入したが、Qoo10は10年からなので約10年の差がある。ただ、組織が小さい分だけ小回りが効く利点があり、もし効果が期待できるものがあれば何でも投資をしようと言われているので、そういった意味ではペイメントやマーケットプレイスのプラットフォームなど改善の余地がある」

 ――モール運営で重要なポイントとは。

 「私自身もイーベイに入る前にいくつかのモール運営企業で経験を積んだが、やはりトータルで考えるとセラーをどうサポートするかに尽きる。その経験から考えてもQoo10の場合はオペレーションや人材の面だけでなく、プラットフォーム自体にもまだ手を入れていかなくてはいけない部分がある。

 昨年春ごろは商品の画像もまだ煩雑で、テキストがたくさん入っていた。その修正などガイドラインの改修もしながら進めているが、他にもサイト内検索であったり、セラーの効果的な露出方法をまだできていない部分もある。開発の人材をたくさん入れていくのもこの1年間でハードにしっかり手を入れていくという狙いが背景にある。後発である分、開発の余地というものがクリアに見えているので、小回りを利かせてどこに投資をするのか、優先順位をつけるのかということが明確に分かっている」


 ――越境サービスは一つの強みとなるか。

 「日本の他の仮想モールが海外で中々上手くいっていないことがしばらく続いているようだが、そこの部分で強みが出せると思うし、勝てるツールがある。セラーも利用者も、海外とのやりとりを当たり前にできる時代はすぐそこに来ている。イーベイグループがグローバルに展開しているマーケットプレイスに出品販売してもらうのは当然の流れで、そこをどうしていくかという部分が今年の課題。すでに大手の物流企業では海外に発送する仕組みもできており、サードパーティーのソリューションプロバイダーがそれをより簡単にできる仕組みも作っている。セラーがこれまでと全く同じ運用方法で海外に販売できる環境が整ってきているので越境ECということを考えなくても、普通にオペレーションすれば実現できるところまで来るのではないか」

 ――モールの認知活動に向けては。

 「テレビCMを引き続き行う予定。昨年のCMでまずはQoo10とは何かを知ってもらった。今年については他の仮想モールと比べても”コスパ”が良い商品がものすごく多いという強みをしっかりと浸透させたい。幸い、日本は他の国と比べてCMの力がまだまだ強い印象。海外では(広告などが)ほとんどウェブに移行しておりコントロールが効かない部分もあるかもしれないが、日本はCMでこちらが送りたいメッセージを送りたいタイミングで送れるという手法がまだ使えるので、これを活かしていく。誰を起用するかでリーチする層や残せるメッセージも変わってくるので、しっかりとやりたい」

 ――日本はEC化率でも他国と大きく異なる。

 「日本のEC化率は一桁とまだまだ低いので、考え方からも変えないといけないし、Qoo10が得意な若い層を取っていくということだけでなく、年配や日本在住の外国の人なども取り込んでいかないといけない。考えることなく物をウェブで買えるという環境をプラットフォーマーだけでなくデバイス側の人達なども取り組むことで全体的に広がってくると思う。私たちはそのマーケット自体が広がってくる部分をうまく捉えなくてはいけない」

 ――今後の目標は。

 「22年には流通総額で5000億円を目指している。高い目標だとは認識しているが、全く非現実的ではなくて、これまで言った通り、まだまだ直せるところがたくさんあり、そこを1つでも2つでもチューニングすることで一気に加速できることが見えている。私自身、イーベイ・ジャパンをはじめ他の仮想モールにも長く居たが、その時のようにセラーのモチベーションをいかにして上げながらビジネスを確立していくかという作業は今も昔も全く変わりない。

 より国内にフォーカスしたビジネスを伸ばすという意味では、やりたいこと、やれることがたくさんある。これまでのグローバルで培った知見なども生かしながらQoo10のビジネスを加速させたい」(おわり)


 
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