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ジャパネットグループ スポーツ・地域創生事業で新会社、「長崎、日本を元気にしたい」

2019年 6月13日 14:00

 ジャパネットホールディングスがスポーツ・地域創生事業への本格始動に向けて動き出した。

 ジャパネットグループでは三菱重工業が保有していた長崎市内の工場跡地に500~600億円をジャパネットグループが単独で投資し再開発し、2023年の竣工を目指して家族向けのスペースや食事付き席など様々な席種を設けたグループのプロサッカーチーム、V・ファーレン長崎のホームゲームなどに使用するサッカースタジアムを軸に宿泊施設やマンションのほか、オフィス、商業施設、学校や図書館などの教育施設などを組み合わせた施設「長崎スタジアムシティ」の建設に向けたプロジェクトを進めており、6月1日には「長崎スタジアムシティ」の運営を担っていく新たな子会社、リージョナルクリエーション長崎(同)を新設した。

 6月11日に都内で開催した記者会見に登壇した髙田旭人社長(写真右)は新会社の役割や同事業について「これまでの通販事業に加えて、新たにスポーツ・地域創生事業をこれから行っていくが、正直、売り上げや利益の拡大はメインではない。長崎には多くの魅力があるが、昨年は日本で一番、転出があり、人口が減った自治体。観光客はもちろん、地元の若者が仕事や楽しみを見つけられるような取り組みを通じて、当社が育ててもらった長崎を盛り上げたい」と説明した。続けて「だからと言って、収益にこだわらなければ事業が続かない」(髙田社長)として、ジャパネットグループで展開する通販事業などのノウハウや強みを駆使して、他にあまり例のない民間主導の都市開発事業で一定の成功を遂げた場合、将来的には長崎以外の他の地域でもスポーツや都市開発を通じた地域創生事業を展開していく可能性も示唆した。

 新会社のリージョナルクリエーション長崎はジャパネットHDの髙田旭人社長が同社社長に就任し、スタジアムなど「長崎スタジアムシティ」内の施設先般の企画・運営など行なう。基本的に各施設の運営や宿泊施設の予約販売、地元の名産品などの物販など全事業を同社の社員がすべて担うという主力の通販事業で実践する“自前主義”を踏襲する。今年から長崎で同社向けの新卒採用募集を始めており、今後、5年間で150~200人を採用し、「長崎に想いを持った地元の若者たちと一緒に長崎を訪れた皆様にきめ細やかな配慮ができる施設を作っていきたい」(髙田社長)とした。

 また、ホテルの宿泊やスタジアムで行われるサッカーの試合や音楽イベントなどのチケット販売などはジャパネットの主力事業である通販事業で得たノウハウを生かして、テレビ通販で行うことも検討しているほか、「マンションを販売する際は当社で『金利負担』をするなども考えたい」(髙田社長)としたり、同じくマンションを販売する際の”売り”として、マンション内の家電を常に最新のものに切り替えていくようなサービスの実施を検討したりと「”ジャパネットらしい”やり方を工夫していきたい」(同)とした。

 「通販事業では世の中に埋もれた良いものを見つけ、それを磨いて伝えることを大事にしているが、スポーツ・地域創生事業に関しても通販で全国で戦ってきた我々なりの力で、長崎の魅力をしっかりと見つけ、それを磨き、お伝えしていくことで長崎を盛り上げていきたい」(同)とした。

 新会社では「長崎スタジアムシティ」の運営にまずは注力していくが、長崎市だけでなく、スポーツ事業などを軸に長崎県全エリアが盛り上がるような取り組みも行っていくほか、「長崎の魅力を磨いて、長崎を盛り上げるというモデルが成功した時には先々、他の地域でも(それを踏襲して)日本が元気になることをやっていく可能性もある。また、我々の成功で他の地域で同じように民間主導の取り組みを行いたいという企業が出てきた際には、我々が持つ細かい情報なども開示して支援したい。我々でなく誰かが日本中を元気にできればよいと考えている」(同)と意気込みを述べた。

 6月11日の記者会見には長崎出身でジャパネットのテレビCMにも出演する歌手のさだまさしさん(写真中央)とプロサッカー選手の吉田麻也さん(写真左)が登壇し、長崎を盛り上げる「長崎スタジアムシティ」とジャパネットの取り組みに期待感を述べた。

 なお、現在、「長崎スタジアムシティ」はデザイン案として開放感溢れるサッカースタジアムらしいA案とリング型の商業スペースが特徴的なB案とで検討中で、より地域の活性化に役立つような工夫や収支面なども考慮して最終案を決定していくという。
 
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