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ファンケルは今年3月、主力サプリメント「カロリミット(機能性表示食品)」(税込1563円)をリニューアルする。シリーズは、20代をターゲットにする「カロリミット」、40代以降向けの「大人のカロリミット」などで年間約88億円を売り上げる。
「カロリミット」単体の売上高は非公表だが、前期(19年3月期)は微増。今期は「横ばい」(同社)と、成長力が鈍化しており、リニューアルで20~40代向けの販売を強化する。
リニューアルで、糖や脂肪の吸収阻害を高めることが期待される新たな機能性関与成分の配合、製剤技術を生かした粒数減による飲みやすさの改善に加え、意識したのが「パッケージ」だ。
製品名や製品カラーなど従来のイメージを残しつつ、製品名の下に表示していた「糖や脂肪の吸収を抑える」という機能を上部に記載(=画像)。開封後にコピーが切り取られ、人目を気にせず持ち歩けるよう工夫した。ピンク色を使った華やかなデザインも意識した。人目に触れることを気恥ずかしいと感じる顧客の声が一定量あったという。
健食市場の主要ユーザーは、中高齢層。これまでは表示規制もある中で、パッケージは機能を分かりやすくイメージできることが重要だった。ただ、若年層の開拓には、これと異なる視点で女性心理に寄り添うことが求められそう。その取り組みは、ウェブの新興企業の取り組みが早い。
ファビウス(旧メディアハーツ)は、パッケージデザインを顧客投票で選ぶなどしていた。ゆるキャラのくまモンをデザインに使うこともあった。家族や友達に見られた時に「くまモンがかわいいから買った」と、理由を説明しやすいからだという(16年当時、現在は同製品の販売は終了)。
ウェブで急成長を遂げたニコリオの商品も一見、機能がイメージしにくい製品名やデザイン。だが、女性心理を意識したおしゃれなデザインが支持を集める。パッケージもインパクトと残す「コピー」と「デザイン」のバランスをターゲットに合わせて工夫することが必要になっている。
とはいえ、「カロリミット」の場合、その印象的な製品名自体の知名度があまりに高く、何目的の商品か分かりやすい。ヒット商品ゆえの悩みといえそうだ。