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ウィズコロナ時代の接客スタイル  オンライン通じたアプローチに勝機

2020年10月29日 13:40

 コロナ禍が小売事業者の”接客”のスタイルを変えている。感染予防の観点からリアルではなく、いかにネット上で顧客に対して効果的なアプローチをして購入に結び付けられるか。通販専業はもちろん、コロナ禍でECに本腰を入れ始めた店舗小売事業者も試行錯誤を続けている。そんな中、各社が相次いで着手し始めているのがライブコマースやオンライン会議システムを活用したリモート接客だ。注目すべき各社の動きを見ていく。

 









パルコ 越境ライブコマースイベント仕掛ける


 パルコは10月20日から23日まで、渋谷パルコで出張型ライブコマースアプリ「Shopshops(ショップショップス)」と組んだ大型イベントを開催した。

 「ショップショップス」はホストと呼ばれる出演者がブランドの店頭に出張し、店内から中国を中心とする海外の視聴者に向けたライブ配信を行い、視聴者はアプリを通じてリアルタイムで紹介された商品を購入できる仕組み。

 今回のイベントは、渋谷パルコに「ショップショップス」のホストが集まり、4日間にわたってライブコマースを実施する、商業施設としては初となる越境ライブコマースだ。コロナ禍で海外の消費者の来店が難しくなる中、中国の消費者に向けて販売を行い、来日可能となった際に来店してもらえるよう渋谷パルコを宣伝した。

 初日、2日目は渋谷パルコに出店する日本の人気デザイナーズブランドを中心とした選りすぐりのショップ店頭からライブ配信したほか、3~4日目は渋谷パルコ内に設営した150平方メートルの大型特設会場で、ジュンやベイクルーズ、三陽商会、アーバンリサーチ、エイ・ネットなどが手がけるレディースブランドが参加。ブランドごとに50~100点のアイテムをそろえた。

 今回の配信は中国本土が対象で、「ショップショップス」に所属し、半年以上のライブ配信経験があり、ファッション感度の高い在日中国人のホスト9人が中国語で配信した。

 パルコは、「中国ではライブコマースが消費者に根付いている。『ショップショップス』の主要顧客層は20~40代女性で渋谷パルコとも合致する」(パルコ渋谷店営業課吉井達弥氏)ことや、インバウンドに強い商業施設として積極的に海外へ発信することを重視し、同アプリと組んだ。

 また、これまでに渋谷パルコの複数のショップ店頭で同アプリを通じたライブ配信を行って実績が作れたことが今回の大型イベントにつながったという。

 「ショップショップス」で売れた商品は、ライブ配信終了後にアプリ運営会社が当該商品を各ショップで代理購入して消費者に届ける仕組みで、店頭に売り上げが計上されるのも利点のひとつだ。

 今回のライブコマースイベントに参加したブランドも訪日客による売り上げが見込めない中で中国向けの新たな販売チャネルとして期待しているようだ。

 同アプリ自体はライブ中に値引き販売も行うが、今回の取り組みではブランド各社がキャリー品を提供し、最初から割引価格で販売した。

 パルコでは事前に渋谷パルコの「ウェイボー」アカウントなどを通じた集客施策を実施。大型イベントの売上高は公表していないものの、ライブ配信のセッション数は初日が1万2700、2日目は1万3500、3日目が1万6900、最終日が1万4900で、一定規模の視聴があったようだ。

 パルコによると、今後は渋谷パルコだけでなく、全国のパルコにライブコマースの取り組みを広げる考えで、11月20日に大阪で心斎橋パルコが開業するのに合わせて、ライブコマースのイベントも行う予定という。

                                                                           ◇

 「ショップショップス」は2016年に米ニューヨークでスタートし、現在は米国と中国・北京、東京にオフィスを構える。ブランドなどの実店舗に出張し店内でライブコマースを行うため、視聴者は各ショップの世界観を味わいながら買い物を楽しめるのが強み。

 累計登録ユーザー数は約100万人。1回4時間の配信でセッション数は平均5000~1万セッションで、流通額は19年が約26億円。今年はコロナの影響でライブ配信ができなかった時期があったため、ほぼ前年並みの見込みという。

 得意分野はファッションと化粧品、中古ブランド品で、ライブ配信は約13の国・地域から中国向けをメインに行うが、今年10月からは米国向けに英語による配信も開始した。

 各国からの月間配信数は合計約700本で、日本からは約160本を配信している。日本の配信は1年半ほど前にスタート。「ショップショップス」の9割が女性ユーザーのため、女性が好む商材を中心に展開し、現在、日本での取引先は80社程度だ。日本で抱えるホストは40~50人の在日中国人で、それぞれに得意ジャンルがある。

 「ショップショップス」の日本唯一の代理店であるWARPDOORの高田純平社長は、「中国では、ライブコマースは日常生活で当たり前のチャネルになっていて抵抗感がない。ライブ視聴から簡単なステップで購入でき、配送までの一連の流れもストレスがない」という。

 また、「中国のすごいところは本当に”消費者第一”で物事を考えること」とし、今回のイベントでも参加するブランドの意向に沿った提案ではなく、ホストが良いと思った商品や着こなしを勧めた。

 
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