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「新規・復活顧客が急増」【楽天の野原彰人執行役員に聞く 2020年の楽天市場㊤】 送料込みラインに大きな成果

2021年 4月15日 12:30

 楽天グループの運営する仮想モール「楽天市場」の2020年12月期流通総額は、3兆円を突破した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、新規顧客や復活購入者が急増しているためだ。野原彰人執行役員コマースカンパニーCOO&ディレクターに2020年の楽天市場を振り返ってもらった。

 







 ――楽天市場の流通額が大きく伸びている。

 「外出自粛に伴う消費行動の変化に伴い、成長率が大きく加速した。年間の国内EC流通総額は初めて4兆円を突破したほか、楽天市場の流通総額も3兆円を超えた。コロナ禍のEC需要の高まりに伴い、新規顧客が増えたほか、1年以上購入がなかった復活購入者も大きく増加。前者は前年比27・6%増、後者は27・1%増となっている。楽天ID数は1億以上なので、新規はほぼほぼ取りきったかと考えていたが、あにはからんや、開拓できていないマーケットはまだまだあったわけだ」

 ――携帯電話サービス『楽天モバイル』の開始も大きかったようだ。

 「モバイルからの新規流入もかなりあった。楽天市場の2020年10~12月における、ユーザーあたり購入額は前年同期比15・1%増、さらに7~9月に購入したユーザーが10~12月に購入した割合は約78%となっており、新規・復活も含めてリピート率も順調に伸びている。2月に開催した通期決算の発表会でも、社長の三木谷浩史がECの伸びについてはかなり強気な発言をしていたが、その源泉は定着率にある」

 ――好調だった商材は。

 「消費財は『最寄り品』、いろいろな商品をあちこちで比較しながら購入する、耐久消費財などの『買い回り品』、高額商品などの『専門品』の3つに分かれるが、これまで消費者の行動様式はバラバラだった。例えば、最寄り品であれば普段の生活の中においてスーパーで買い物をするのが普通だった。ところが、昨年4月に発令された緊急事態宣言以降、実店舗での買い物がしづらくなった最寄り品だけでなく買い回り品、専門品においても大きな成長率の上昇が見られた。『わざわざ配達してもらうようなものではない』という、先入観や固定観念がコロナ禍でかなり変わった。当社では『楽天西友ネットスーパー』に注力しているが、こうした領域の拡大は、ユーザーの行動様式の変化と一致している」

 「専門品に関しては、例えば『銀座でウインドウショッピングをしながらブランド品を買う』というような行動様式そのものが蒸発してしまい、こうした店舗を運営する企業もネットに進出してきた。それを受けて、専門品ジャンルも大きく伸びた。もともとネットが強かった買い回り品も含めて、3つのジャンルECでは融合しつつある」


 ――昨年3月18日には、議論を呼んだ「送料込みライン」を導入した。成果は。

 「20年12月時点では、導入店舗の比率は85%、流通総額の比率は89・4%に達した。送料込みライン導入店舗における4~12月流通総額は大きく伸びており、未導入店舗と前年同期比を比較すると、導入店舗が約25ポイントも上回っている。当社としては、残り15%の店舗にこうしたメリットを伝え、100%に達したら『楽天市場は3980円以上の購入で送料込み』であることを、大々的にプロモーションをしていきたいと思っている。もちろん、ECで送料が無料ということはあり得ない。『物流コストは必要不可欠』であることは、しっかりとユーザーに伝えるべきだと思っているが、それを踏まえた上での本施策の導入は、妥当だと捉えている」

 「当社では『ユーザー・店舗・楽天の“三方よし”』を標ぼうしているが、これを実現するには、ある意味で“三方悪し”の部分も必要になってくる。つまり、ユーザーにとっては『3980円未満の購入なら送料がかかるのは仕方がない』、店舗側は『3980円以上なら注文単価としてはそこそこだから、ユーザーにメリットを提供する必要がある』、そして当社としては『顧客とのリテンションを維持するために投資をしている』わけだ。ECが持続可能な成長をするために、3者がそれぞれ改革を行えば、最終的に利益を受け入れることができる。そのための施策である送料込ラインの導入は必要不可欠だった」

 「残念ながら、センセーショナルな話題が先行してしまった結果、寄り道をしてしまった部分も否めないが、店舗へはコミュニケーションを重ね、理解をいただき、多くの店舗から賛同の声をいただいている。導入店舗の比率をさらに高めてなるべく早いタイミングで100%に到達、ユーザーへのアナウンスを強化することで、よりECを盛り上げていきたい」(つづく)


 
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