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ZHDとの連携強化【吉岡晃社長に聞く アスクルの現状とこれから㊥】 XSエンジン導入、「ロハコ」をリニューアル

2021年 7月 1日 12:30

 前回に引き続き、吉岡晃社長にアスクルの現状について聞いた。

                                                                          ◇

 ――過去に対立していた筆頭株主であるZホールディングス(ZHD)との関係は今は良好とのことだが、改めてZHDと今後も組んでいくメリットをどう考えているか。

 「ZHDのグループ各社のサービスへのユーザーの支持が非常に高い。『ヤフー』というサービスを使っている方々は大勢いる。また、(グループには)『LINE』や『ゾゾ』など、これまた多くの方々が利用しているサービスがあり、お客様の基盤は非常に強い。これは当社からすると非常に魅力的な経営資源であると考えている。もう1つは技術的な部分だ。当社にとってeコマース事業はまだまだ途上の段階だが、ZHDのテクノロジーのノウハウは日本でも有数だ。優秀なエンジニアも多く抱えている。そうした知見の蓄積や人材の確保を当社が独力でやっていくのは大変で課題であったわけだが、(ZHDから協力を得ることで)一足飛びで獲得できることになり、ここは非常に大きいメリットだと感じている」

 ――ZHDが展開する通販事業者向けの自社サイト構築サービス「XS(クロスショッピング)エンジン」を導入して運営する日用品通販サイト「LOHACO(ロハコ)」を6月22日で刷新した。

 「これまで『ロハコ』は当社がすべて自前で開発、投資して運営してきたが様々な競合がいる中で、お客様から支持を頂くためには、日進月歩であるテクノロジーやセキュリティ対応へのさらなる投資は欠かせない。サイト運営にはそうした様々な課題やコストの負担があるわけで、それらをすべて自前で賄うよりも、そこは協業して、(ZHDが持つECのテクノロジーやノウハウを盛り込んだ「XSエンジン」という)大きな基盤をもとにサイトを運営することでシステム投資やセキュリティへの対応を(XSエンジンに)任せることで、売り場のUI・UXなどサービス面のアップデートの速さなど使い勝手や安全性など『ロハコ』の利便性がお客様にとってあがると考えた。その分、我々は商品開発や物流面に関する取り組みの強化に専念していく」

 ――「ロハコ」の刷新のポイントは。

 「何か機能が大幅に変わるというよりも、これまでの『ロハコ』の世界観・サービスを維持しつつ、これまで以上に商品を選びやすく、使いやすくした形だ。また、(ヤフー運営の仮想モール「PayPayモール」に出店している)『LOHACOPayPayモール店』との連携を強めた。本店とモール店で同一のポイント倍率を適用したり、モール店での購入履歴を本店で確認できたり、両店を併用した使い勝手が高まるようにした。さらにヤフーの仮想モールのショッピング機能と親和性を高めて、ヤフーの仮想モールを使っているお客様にとって『ロハコ』は買いやすく、モールと『ロハコ』で買い回りしやすいように工夫している。当社からすれば、先ほど申し上げた通り、自社ですべて運営するよりも、XSエンジンを活用することでコストダウンにもつながるメリットもある」(つづく)

 
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