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【千趣会イイハナの杉本社長に聞く フラワーギフトECの成長戦略】加工場を拡張し温室も整備 好評な卸サイトも刷新へ

2021年10月28日 13:00

 千趣会グループで花とギフトのネット販売を手がける千趣会イイハナは、自家需要の拡大などによってコロナ禍でも順調に業績を伸ばしているようだ。今期は花の加工場を増強したほか、法人向け卸サイトの刷新も計画している。通販サイト「イイハナ・ドットコム」を運営する同社の杉本伸二社長(=写真)にフラワーギフトの事業環境や成長戦略などを聞いた。
 







 ――コロナ禍におけるフラワーギフト市場の変化は。

 「コロナ禍で花のマーケット全体では大きな変化があった。昨年最初の緊急事態宣言以降、リアル店舗やブライダル業界、オフィス向けの装花などを主力とする大手の花屋さんはかなり苦しかったと思う」

 「今年は大手の花屋さんもオンラインに注力していて、リスティング広告や商品リスト広告を積極的に運用するなど、ウェブシフトを強めている印象だ。そのため、当社では昨年はウェブ広告費を抑えても自然流入が多かったが、今年は広告費をかけて集客している状況だ」

 ――度重なる外出自粛などで花の需要は増えたのでは。

 「自家需要は今までになく拡大した。当社では自宅用の観葉植物が好調だった。また、昨年は帰省代わりの花のニーズが増えた。お盆の時期などは、これまでであれば帰省先で買っていた花がECチャネルに移ったのだと思う。花とお菓子のセット商品は母の日では定番になっているが、お盆でもセット商品を始めて、昨年も今年もよく売れた」

 ――業績にも貢献した。

 「2020年12月期については、売り上げ構成比の高い母の日商戦が最初の緊急事態宣言と重なってアルバイトが集まらず売り上げが落ちたため、前期は業績を大きくは伸ばせなかった。今期はコロナ禍での事業継続性を重視し、母の日のときも分散して出荷できる体制に変えて出荷量を最大化できた」

 「今年1月に花の加工場を拡充して生産量も増えている。売り上げは順調に伸びていて、今期は10%程度伸びて過去最高での着地を見込んでいる」


 ――加工場の拡充については。

 「2カ所にあった加工場をひとつに統合し、東京の大田区内にある3階建ての1棟を借りた。加工場はプリザーブドフラワーと切り花のアレンジメントやブーケなどを出荷する基地だが、自家需要などの増加を受けて温室も新設し、鉢花や観葉植物を出荷できるようにした」

 ――法人向けの卸も強化している。

 「法人向けの卸サイトを12月中にリニューアルする計画だ。UIを整備し、ビジュアルも見やすくして新規取引先の開拓にもつなげていく」

 ――卸サイトの強みは。

 「取り引きのある花屋さんは、当社のカタログデータや写真データ、商品のスペック情報、商品コピーなどを自由にダウンロードできる」

 「例えば、花屋さんが『楽天市場』や『ヤフー!ショッピング』などでEC展開したい場合、写真撮影や商品コピーの作成などには結構な手間がかかるが、当社の卸サイトで購入した商品については、各種データを提供しているので、商品の幅が広がるし手間もかからないということで好評だ。コロナ禍で影響を受けた花屋さんが当社の卸サイトに登録し、EC強化に役立てている」


 ――卸事業の主力商材は。

 「マーケットの大きい母の日商戦では生花やプリザーブドフラワー、鉢花も卸しているが、年間を通じてリアル店舗向けに卸しているのはプリザーブドフラワーだ。和モダンをテーマにしたプリザーブドフラワーのブランド『HANARI(はなり)』などを展開している」

 ――卸販売はECチャネルでの競合を作ることにもつながるのでは。

 「確かに、ECが生業の当社にとって卸ビジネスは競合になり得る事業者に当社商品を販売している形だ。卸を始めたのは5~6年前で、当時から多くの事業者が生花や鉢花は良いものを作っていたが、プリザーブドフラワーについては本職ではなく、アルバイトが作っているようなところもあって、品質が悪かった。それは業界として良くないこと。当社の商品を卸すことで品質の良いプリザーブドフラワーの流通が増えればという思いで始めた」

 ――リアルの花屋との関係性は。

 「EC事業者とリアル店舗はケンカしがちだが、街の花屋さんがきれいな飾りつけをすることで、消費者が母の日や敬老の日などを思い出し、たまたまECで花を買うこともあれば、オンライン上で母の日の動画や広告を見て街中の花屋さんで買うということもあり、両者は相互補完の関係にあると思っている」

 ――花のサブスクサービスが増えているが、ビジネスとしての可能性は。

 「サブスクサービスについては研究しているところだが、当社としてサブスクを事業化することあまり考えていない」

 「サブスクサービスにはポストに花を届けるものがあり、中には品質を担保できていないと感じるサービスもあって、そうしたサブスクのために花離れが起きてほしくないと思っている。例えば、当社が品質の良い花を届けられる仕組みを開発することで、サブスク事業者に利用してもらえればいい」



 
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