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【メーリングサービス特集】富士ロジテック 同梱物から顧客引き上げ、“アンボクシング”で印象付け

2021年11月18日 12:20

 通販物流支援などを手がける富士ロジテックでは、同梱物を使ったCRM施策に着目しており、提供する物流メニューにおいて、外部の専門企業と連携したチラシ・DMによる販促支援を行っている。

 「人の第一印象は最初の10秒以内で決まる」とも言われる中、実店舗を持たないEC発のD2Cブランドなどは、顧客に初めて自分たちの世界観を伝えられるのは配達された商品の箱が開く瞬間になる。「開けた時にインパクトをしっかり与えることで、競合他社への優位性が生まれる。海外でもアンボクシング(箱の開封の儀)は非常に重視されている」(西間木智通販営業部部長=写真)と説明する。

 アンボクシングの要素の一つでもある同梱物は、販売以外で顧客との密なコミュニケーションを図る役割を担う。特に効果的な使い方は、DMなどと組み合わせて初回から2回目以降の内容を徐々に変化させていくこと。挨拶状、商品情報、次回商品、他の顧客の声などを同梱チラシで段階的に使い分けつつ、ブランドに強い好感を持つ上位顧客に向けては、より情報量の多い会報誌なども送付する。

 並行して商品が届く前後でDMによる告知も行うことで、商品(同梱物)の到着を高く意識付けることもでき、その後の継続率のアップや定期への引き上げにつながるという。「この作業を(開封率の低い)Eメールだけで行うと記憶に残り辛いが、同梱チラシは箱が開封されて必ず目に入るという前提がある。気になる商品チラシは目の届くところで保存してくれる場合もある」(西間木部長)とした。

 実際に同社のクライアントである化粧品通販企業や健食通販企業では、同梱物のシナリオ設計から販売成果を挙げた事例もあり、特にスタートアップの新規事業者への提案に強みを持っている。

 コロナ禍に伴い、ECへの参入企業が増加した一方で、新規参入故のリソース不足から、同梱チラシやDMの制作ができず、外注先の探し方も分からないケースは少なくない。同社では協力企業を通じて紙媒体の制作から同梱作業まで一貫で提供。「(提携先で)薬機法なども踏まえて、使える言い回しや使えない言葉なども理解しているので、EC初心者の案件にも対応できる」(西間木部長)とした。
 
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