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スクロールの新中期経営計画 3年後に売上高900億円へ、通販事業は420億円を計画

2022年 5月19日 10:50

 スクロールでは、2023年3月期を初年度とする3カ年の中期経営計画を策定した。ソリューション事業・eコマース事業を強化することで、最終年度となる25年3月期の連結売上高は、22年3月期比10・6%増の900億円、営業利益は同1・4%減の69億円、経常利益は同1・4%減の70億円、当期純利益は同10・5%減の50億円を見込む。
 
 昨年発表した24年3月期を最終年度とする3カ年計画では、連結売上高1000億円、営業利益59億円、経常利益60億円、当期純利益42億円を目指すとしていた。新中計では、売上高は年率3%成長を堅持する一方、23年3月期は円安や原材料高の影響を受けて減益となる見通しであることを踏まえて、最終年度に利益水準をコロナ禍特需時へと戻す計画だ。同社の鶴見知久社長は「人口減少が消費に及ぼす影響を鑑みて、既存の商材に関しては縮小戦略を採った」とした。

 セグメント別では、通販事業の25年3月期売上高は、22年3月期比0・2%増の420億円、経常利益は同22・3%減の50億円を計画。一方、ソリューション事業の売上高は同42・2%増の263億円、経常利益は同7・3倍の13億円、eコマース事業の売上高は同3・2%増の221億円、経常利益は同48・5%増の6億円を見込む。22年3月期においては、経常利益のうち約90%が通販事業だが、ソリューション事業とeコマース事業の成長により、通販事業への依存度を減らす計画。

 通販事業では、地域の生協(単協)ごとのニーズにマッチした商品やサービスの提供を行う「ソリューションベンダービジネス(SVB)」を拡大。ナショナルブランドとの提携によるショッピングモール型ビジネス拡大や若年層開拓、スギホールディングスとの提携による一般医薬品(OTC)・健康食品の品揃え拡充やヘルスケアビジネス拡大などを行う。

 ソリューション事業では、主力の物流代行において、今年4月に埼玉県春日部市の物流拠点を取得。営業強化と物流拠点拡大による売り上げ増を見込む。決済事業では提携先企業との連携による営業強化を進めるほか、対応決済種類の拡充などサービスメニューを強化。マーケティングサポート事業においては、コンサルティングサービスとアフィリエイトサービスを強化する。

 eコマース事業は、オリジナル商品の開発を強化することで、各ジャンルでのシェア拡大と収益力強化を図る。22年3月期のオリジナル商品売り上げ割合は7・5%だが、25年3月期には20%まで拡大する。アウトドアEC子会社のナチュラムが手掛けるブランド「ハイランダー」の商品や、家具などで品目を拡大するほか、直貿拡大などで原価低減を進める。また、M&Aによる事業拡大も視野に入れており、鶴見社長は「昨年は企業買収を行っていないので、今年は積極的に投資していきたい」と意欲を示した。
 
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