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小川吉宏社長に聞く・ショップチャンネルの現状と今後 新鮮味不足で減収に 「チャレンジ精神なくなっていた」

2022年 7月 7日 13:30

 通販専門放送を行うジュピターショップチャンネルの2022年3月期決算は減収減益となった。売れ筋を軸とした商品構成やコロナ禍で商品育成が思うようにはかどらなかった前年の影響などを引きずり、商品の新鮮味が薄れた結果、顧客の購入回数が減少したという。今年4月に同社社長に就任した小川吉宏氏にショップチャンネルの現状と今後の方向性などについて聞いた。

 
 ――前期(2022年3月期)は減収減益(※売上高は前年比2・3%減の1573億8300万円、営業利益は同10・7%減の178億1200万円、経常利益は同10・0%減の182億1400万円、当期純利益は同1・8%減の136億8000万円)となった。要因は。

 「端的に言えば、我々が提供する商品と番組の新鮮味が不足し、お客様の期待に応えられなかったのでないか」

 ――新鮮味の不足とは。

 「前々期(2021年3月期)は新型コロナウイルスの拡大に伴い、従業員や取引先の健康や安全を確保する観点からこれまでの24時間生放送をやめて収録番組を交えた編成とした。それにより生放送の時間が減った。段階的に戻した(※生放送時間は20年4月に7時間、同5月から12時間、同6月から16時間、21年4月から20時間)が、生放送が減ったことでその限られた番組には(売り上げを上げることができる)実績のある商品を投入しなければいけなかった。そうなることで翌年の売り上げにつながるような新商品の投入、新たな種まきがなかなかできなかった。そうした背景に加えて、全体的な流れとして売り上げを追求しようとするあまり、当社が蓄積しているデータをもとに過去に一定の売れ行きのあった実績のある商品や番組をベースに計画・進行しており、以前に比べてチャレンジ精神がなくなっていたと思う。コロナ禍を経て、お客様の嗜好は色々と変わっているはずだが、実績に重きを置きすぎたことで多様化するお客様のニーズと合致しなかったのではないか。過去の成功体験に基づいたものではなく、もう少し挑戦すべきだったと反省している」

 ――商品・番組がマンネリ化したことの影響は。

 「前々期は巣ごもり需要に合わせた品ぞろえなどもあって平均客単価は下がったが、前期は例年並みに戻り悪くなかった。むしろ、お客様数や購入回数に影響が出た」

 ――新規顧客獲得の状況は。

 「セール時にあわせて行なっている新聞広告やインフォマーシャルといったマス広告や『ウェルカムショップチャンネル』という新規顧客向けに売れ筋商品を紹介する番組プログラムなど例年、実施している施策のほか、新たな施策としてショップチャンネルで初めて商品を購入頂くお客様を対象に送料を無料とするキャンペーンを(21年の)4月から実施していたが想定していたほどの成果がでなかったため、10月末で一旦、終了させた(※11月以降は番組等に合わせて特定の日に限定して実施)。(コロナ禍による巣ごもり消費増で順調だった前々期に比べて)あまりうまく行かず、なかなか難しかった」

 ――リピーターの育成施策は。

 「成果を上げているのは昨年8月から発行し始めた初の独自クレジットカード『ショップチャンネルカード』だ。決済額に応じて貯まるポイントで当社で利用可能な割引コードを付与したり、送料無料という特典がつくものだ。特に既存のお客様から非常に好評で想定よりも多くのお客様に申し込み頂けた。特に送料を無料とする特典はお得感があったのだと思う。クレジットカードで決済される方は一般的に買い物をする回数が増えると思う。実際、(ショップチャンネルカード保有者は購入回数が)増えている。さらにこれまでお客様が事前に登録していた住所一カ所の送料のみを無料としていたが、今年の7月からは『ショップチャンネルカード』で決済頂ければ、登録住所以外でもどこに送っても送料無料とする特典も追加した。さらに入会数が増えることを期待しているところだ」

 ――前期の売れ行きの傾向は。

 「前々期はコロナ禍で家での生活を快適なものにする例えば空気清浄機やエアコンなどの家電が非常に好調だったが前期に関しては、そうした需要が一巡したこともあり、家電の動きはよくなかった。また、先ほど述べたように前々期に種まきができなかった商材、特にファッション・アクセサリーについても伸びなかった。一方で前々期に引き続き食品の売れ行きはよかった」(つづきは読者限定です)


 
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