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同社では、今上期の連結業績が基幹システム改修後のトラブルを受けて大幅な減収減益、約40億円の営業損失と苦戦。主力の通販事業は、システム不具合に伴って販促施策を抑制したことで、当該期の購入会員数が前年同期比45万8000人減の128万7000人に縮小した。
一方で、当面の運営資金は確保できていることから、「2025年度に売上高900億円、営業利益40億円」という中計目標の達成に向けて積極的な投資を行う方針で、まずは今期中に会員基盤を回復させる。
7~9月期以降は、1~3月期に控えた分の販促費も投下し、顧客のステージ別に細やかな施策を実施するのに加え、秋冬シーズンの主力アイテムであるオリジナルの綿混あったかインナーブランド「ホットコット」などを候補にテレビCMの放映も検討しているようだ。
また、来期の黒字化に向けては今年4月に設立した、データを活用したマーケティングなどを行う新会社のセンシュカイメイクコーが中心となって変革を推進。「デジタルプロモーション強化によるプロモーションミックスの実現」と「広告ソリューション事業の推進」「共創によるサービス拡充」に重点的に取り組む。
「デジタルプロモーション強化によるプロモーションミックスの実現」については、従来のカタログ中心のプロモーションを見直し、SNSなどによるデジタル上の販促に経営資源をシフト。SNSでは主に新規顧客の開拓を目指す。一方、カタログとウェブによるチャネル横断型の顧客接点強化によって既存顧客の注文回数増につなげる考え。
デジタルプロモーションのターゲットは”暮らしの満足を求める人”とし、今下期はとくに、ベルメゾンの強みが生きる「ママ層」と「ディズニーファン」に対して重点アイテムを選定し、ユーザーの購買行動に合わせたコミュニケーションのあり方を再設計していくという。
また、グループのマーケティング機能を強化することで、多様な顧客のライフスタイルと価値観を理解することに努め、商品・サービスの提案力アップを図る。
「広告ソリューション事業の推進」については、女性会員数が国内有数規模の通販サイト「ベルメゾンネット」を活用し、広告売り上げの拡大を目指す。これまでは法人事業部が展開していた通販サイト内の広告枠営業をセンシュカイメイクコーに移管するとともに、広告枠の提供にとどまらず、外部企業の商品をフィーチャーしたコンテンツの制作なども広告メニューに加えていく考えのようだ。
「共創によるサービスの拡充」については、協業先との共創によって商品の使用中、使用後にかかわるサービスや顧客の暮らしに寄り添った便利なサービスを拡充することで、ベルメゾンのブランド価値を高めるとともに、顧客との接触頻度を高め、継続率の改善につなげる。
商品の使用後では、すでにオークネットとは「ベルメゾンネット」内でファッションアイテムの宅配買い取りサービス「キマワリ」をスタートしており、今秋からは販促を含めて同サービスの本格展開を始める。今後は、ファッションアイテム以外の買い取りサービスを検討するほか、使用中商品の修理など、商品を長く快適に長く使えるサービスも充実させる。