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キューサイ 単品モデル脱却へ、健康状態「可視化」のサービス

2022年 9月29日 15:00

 キューサイは来年をめどに、心身の健康状態を可視化する新サービスの提供を始める。単品通販モデルの事業から脱却を図り、顧客のQOL向上を総合的に支援する。健康食品、化粧品の各事業はリブランディングを進め、健康意識が高まっている若年層の取り込みも進める。

 前期(21年12月期)の売り上げは、約256億円で再成長の基盤づくりを進めた。25年をめどに300億円の売り上げを目指す。

 新サービスは、ネットを通じて提供。健康状態の測定や運動・生活習慣の把握を通じて個々の顧客に応じた情報・商品の提供を行う。

 システム開発やアルゴリズム構築に向け、AIテック企業やヘルステック企業とコンソーシアムを形成。外部有識者の学術的な助言を得つつ、共同開発する。

 今後、協業する企業の選定を進め、来年にも新システムによるテストマーケティングを開始する予定。投資額は未定としている。

 併せて、健康食品、化粧品の両事業の改革も進め、エイジングケアの総合プラットフォーム構築を目指す。現状は、シニア世代が顧客基盤だが、若年層の健康意識の高まりを受け、20~30代を意識した商品開発、顧客獲得の戦略も強化する。

 健康食品事業は、主力のケール青汁「THE KALE(ザ ケール)」のリブランディングを行う。従来のパッケージデザインは、「青汁であることが分からない」「ケールが伝わらない」等の意見があった。自社調査では、「年配者向け」とのイメージも定着していた。新デザインは、花瓶に生けた花のようにケールのイラストをあしらい、若年層を含めより幅広い層に訴求する。

 化粧品事業は、スキンケアの新ブランド「QetA(キュエッタ)」を立ち上げる。開発プロセスの見直しも進め、開発担当者が自社で選定した1400人の顧客をアドバイザーと開発を進める”共創型ブランド”として展開する。10月1日に発売する。

 新サービス展開の背景には、顧客の購買行動の変化がある。若年層の健康意識の変化、QOL向上に向けたニーズの高まりを受けて、悩みに応じた商品の提供だけで顧客ニーズに応えることが難しくなっていた。

 年齢を重ねることを前向きに捉える生き方を、独自に「ウェルエイジング」(ウェルビーイング、アンチエイジングを掛け合わせた造語)と定義。これを支援するサービスを充実させる。年齢を重ねても人生初の体験に踏み出せる気持ちを、ウェルエイジングを実現した状態と捉え、コーポレートスローガンも「人生初を、いつまでも。」に変更した。メッセージの浸透を図り、10月1日から同社として初となるブランドCM、動画広告を一部地域で放映する。
 
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