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プラットフォーム構築へ【PTPの有吉社長に聞く ordrの次のステージ】 TV通販業界全体の効率化を

2022年12月 1日 11:00

 テレビ通販DXサービス「ordr(オーダー)」を提供するPTPが新たな取り組みに着手する。今後1~2年をかけて「ordr」をテレビ通販業界全体の業務DXプラットフォームとすることを目指す。その第1弾として広告代理店が通販企業への各種提案を効率的に行える「ordr AG」の提供を開始。有吉昌康社長にプラットフォーム構築の狙いなどについて聞いた。

 






 ――プラットフォーム構築の狙いは。

 「サービス開始後、約1年半の間、多くの通販企業にordrを導入いただいた。テレビ通販のトップ企業群だけでなく、ネットから新規にテレビに参入するような新興企業にも広がるようになった。そこで次のステージに進むことにした。

 通販企業はデータをたくさん持っているイメージがあったが、意外ときちんと管理されていないケースが多い。エクセルでの管理が限界なので、そのデータをクラウドにアップいただき、ファイルが重くならずに作業効率が上がることなどをordrで可能にしてきた。たくさんの導入先からの要望をフィードバックして新機能を追加して進化してきたことで、ordr導入企業の出稿枠は、テレビ通販番組枠全体の65%を占めるまでになり、多くのデータがクラウド化された。

 しかし、通販企業1社だけで通販の全ての業務を完結できるわけはなく、多様なパートナー企業が存在する。業務効率を上げるには、それらのパートナーにもordrを利用いただけるようにしないといけない。そうすることで、通販企業自身の業務のDXが100%完結する。これが、テレビ通販業界全体のDXプラットフォームと考えている」


 ――各種のパートナー企業がordrを利用できるようになるプラットフォーム構築を目指すのか。

 「その通り。広告代理店もordrが利用できるようになることにより、テレビ通販業界のDX化をスピードアップできると考える。プラットフォーム構築に向けたステージ2では業界全体のDX化を推進する。広告代理店から始め、番組制作会社、コールセンターへと順次広げ、最終的には放送局もordrが利用できるようにしたいと考えている」

 ――第1弾となる広告代理店向けordrAGはどのような利用が可能か。

 「”コラボレーション型業務DXツール”と位置付けており、通販企業向けのordrとordr AGとの間にパイプが通るイメージで、クライアントの通販企業から寄せられる要望や依頼などに広告代理店側が効率的に対応できるようにするDXだ。例えば、テレビ通販枠を買ってもらうためのレポート、市場調査(特定のアイテムの市場の動向など)、新規の商材や企業、クリエイティブの流行りなどについてのリサーチ等、ordrで手軽に調査、分析でき、その場で共有ができる。

 広告代理店は、枠提案の資料づくりのために大変苦労している。一方で通販企業としては資料そのものを欲しているのでなく、疑問への答えを要望している。ある商材は何社がテレビで売っているか、流行りの健康食品は最近も売れているのか、何社がテレビ通販で販売していて、参入はまだ可能かなどへの答えと根拠を知りたがっている。ファクトデータなら、ordr AGで検索して、集計・分析すれば一発で解決する。資料化の手間を省き、すぐに通販企業へ提案できる。

 ordr AGには『共有』というボタンが用意されていて、リサーチして集計したデータをクライアントの通販企業と共有できるようになる。元データのURLの履歴も残せるので振り返ったり、データの再利用も容易。通販企業側のordrには広告代理店各社ごとに共有された情報を格納する『ルーム』と呼ぶワークスペースが表示されるようになっている。広告代理店はリサーチして、従来は資料をまとめ、体裁を整え、そしてアポ取りして日程を決め、打ち合わせという手順で時間を要した。しかし、ordr AGがあれば、大幅に時短が可能となり、リサーチは20分もあれば終わり、『共有』ボタンで全てが完了する。さらには、時短だけでなく、クライアントと同じ目線で会話できるようになることで提案の質の向上も期待できる。

 その上、枠情報だけでなく、新しく参入してきた企業についても知ることができ、いち早く新規営業先として提案ができる」


 ――第2弾、第3弾、第4弾と続けていく。

 「商品をテレビ通販で売ろうとすると、枠の購入(広告代理店)、番組素材制作(制作会社)、受注業務(コールセンター)、映像の考査(放送局)という業務が必要になる。これから1~2年かけて全てのDXを進めていく。

 そしてプラットフォームを構築した次の段階で、第3ステージとして放送枠を売買できる仕組みを作りたい。放送局にしても余った枠を効率的に売りたいというニーズがあるはず。特に地方局は効率化が求められてくることもあり、このニーズは今後高まると考えている。

 広告代理店としてもordrのプラットフォームを通じて放送局と交渉ができるようになるかもしれない。例えば5分枠が欲しいというクライアントからの要請があった場合、全国の局に電話で問い合わせるのは大変な作業だが、ordr AGであれば、5分枠がどこに存在しているかをすぐに確認でき、それらの放送局とすぐに交渉が行えるはずだ。

 30年間変わっていないテレビ通販業界の業務をDXし、業界の新規参入のハードルを下げ、通販の事業変革を起こして業界の活性化を促し、通販の未来に貢献していきたい」

 
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