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「今期は増収増益へ」【小川吉宏社長に聞く ショップチャンネルの現状とこれから㊦】 顧客接点増やす取り組み強化

2023年 7月20日 12:00

 前回に引き続き、通販専門放送を行うジュピターショップチャンネルの小川吉宏社長に同社の現状と今期以降の方向性について聞いた。

                                                                       ◇

 ――今期(2024年3月)の見通しは。

 「第1四半期(4~6月)は順調で業績は前年実績を上回って推移している。コロナが収束し、外出が増え、ファッションアイテムやコスメなどの売れ行きなども伸びてきた。こうした流れに加えて、本部長クラスの執行メンバーの見直しや”挑戦した人”をきちんと評価する人事制度の見直しなども行い、前期に本気で取り組んだ様々な改革が番組力や商品力を高めた。これらが相まった結果ではないか。コロナ前の業績に迫れるくらい今期通期でも増収増益を目指していきたい」

 ――増収増益への具体策は。

 「引き続き商品や番組の向上を進める。また、お客様との接点を拡大する施策を積極的に実施していく」

 ――商品面は。

 「例えばアパレルに関して言えば、より幅広い年代のお客様や様々なし好に合致するよう百貨店で取り扱うような有名ブランドの商品も紹介していく一方で、カジュアルな商品ももっと拡充して幅広いお客様のニーズに応えられるようラインナップを充実させていく。一昨年から注力しているコト・体験型商品についてもさらに充実させていきたい。前期には阪急交通社と組んで、北海道や沖縄、北九州の旅行ツアーを合計4回企画したが売れ行きはよかった。通常のツアーでは名所などを効率的にまわれるような内容が多いと思うが、お客様のし好に合わせて商品開発を行い、あまり詰め込まずゆったりと旅行を楽しめるような内容としたことなどが好評だった。こうした企画の旅行商品をさらに増やしていきたい。また、前期はコロナ禍の影響で催行できなかった阪急交通社と組んで行うクルーズについても今年から改めて再開しており、3月から旅客船『MSCベリッシマ』を部分チャーターして8月に催行するクルーズを、5月からは来年5月に催行予定の旅客船『ダイヤモンド・プリンセス』を全船チャーターしたクルーズの販売を開始しており、期待している。家系図の作成やプロのヘアメイクが整え、カメラマンが撮影する女性向けフォトセッション利用券など前期も好調だった体験型商品などもさらに充実させていきたい。このほか、今年3月からマクアケのクラウドファンディングで開発した商品を当社のテレビショッピングで販売する試みを始めており、第1弾として販売したほうきや枕の売れ行きもよかった。今夏には第2弾商品の販売も行う予定でこうした新たな取り組みも進めたい」

 ――番組面では。

 「ファッションで言えば現在、スタイリストがコーデネート提案をしながら商品を紹介する『VENUS NAVI(ヴィーナスナビ)』という番組を放映中だが、ブランドの垣根を超えてファッションの提案する番組は面白くお客様からも好評だ。こうした番組をもっと増やしていく。また、ある地方から当該地域の特産品などを現地から生中継で紹介・販売する『日本を見つけよう』を3年ぶりに復活させる。中継番組は昨年も北海道旅行を販売した際に洞爺湖から、また、陶器を紹介した際に東京・銀座の陶器専門店から簡易中継でスタジオと結んで放送し好評だった。『日本を見つけよう』だけでなく、お客様に楽しんで頂けるような番組を増やしていきたい」

 ――顧客との接点拡大のための施策とは。

 「お客様から寄せられた質問や意見などに回答する非販売の番組『Oh!Cha15(お茶行こう)』の放送を昨年12月から開始するなどの取り組みを行っている。昨年6月にはテレビ画面で当社番組の生放送や編集した番組などが視聴できるテレビアプリの配信、昨年10月には『ヤフーショッピング』、今年5月には『楽天市場』と仮想モールへの出店も始めて、想定以上の売れ行きとなっている。一昨年から開始したインフルエンサーを活用したライブコマースサービス『コレイヨ』も試行錯誤しながら進めて売り上げも前年比で数百%アップしており、さらによりよい最適なやり方を模索していこうと思う。こうしたお客様との接点を増やす取り組みを、デジタルサービスの強化も含めて行っていくために昨年4月にお客様の声を収集・分析する部門を一元化して、担当部門を強化し、情報の収集とその情報を落とし込んだ施策を進めているが、さらに今年4月に『3554認知&新規獲得推進準備室』を新設した。これからのお客様の中心となる世代である35歳から54歳までのお客様で、現状、あまりテレビを見ないであろう層に対してタッチポイントを作っていくための施策を行っていく目的だ。同組織では現状、色々なビジネスプランの立案などを行っている。既存顧客はもちろん、まだ当社を知らないお客様との接点を増やすべく、様々な取り組みを進めていきたい」(おわり)


 
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