日本デザイン振興会は10月5日、2023年度の「グッドデザイン賞」の受賞結果を発表した。通販実施企業や関連企業について、今年度は大賞候補となる5作品から漏れたものの、上位賞に当たる「グッドデザイン金賞」を、クラダシが運営する食品ロス削減を目的とした通販サイトが受賞した。
 






　今回のグッドデザイン賞は、応募のあった5447件(前年比268件減)の審査対象の中から、国内外のデザイナーや建築家、専門家などの審査委員による一次・二次審査を経て、1548件(同12件減少)の受賞が決定。

　金賞を受賞したクラダシの、ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi(クラダシ)」(画像)は、フードロスの恐れのある商品を割安で購入できるほか社会貢献団体にも寄付ができるというもの。廃棄の可能性があった商品を価値のあるものに生まれ変わらせて流通させる市場の構築につなげたことや、今年6月末時点で合計1万7000トンを超えるフードロス削減や、複数の社会貢献団体へ1億円を超える支援を行ったことなどが評価された。

　上位賞ではほかにも、LINEヤフーが手がけている「Yahoo!ショッピング『おトク指定便』」が、新ビジネスデザイン部門における「グッドフォーカス賞」を受賞。同賞は今年度に選ばれたすべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で、新たなビジネスモデルや新産業の創出、イノベーションの促進に寄与する優れたデザインとして特に認められたもの。

　同サービスはYahoo!ショッピングにおいて、顧客が余裕のある配送日を選ぶことでポイントが付与される機能を提供し利便性を高めたほか、出店者にとっては出荷作業の分散化、配送事業者にとっては業務負荷軽減につながる解決方法を実現したことなどが評価されたという。

　そのほか、グッドデザイン賞を受賞した主な通販関連企業では、フェリシモが展開するオールライト研究所の「裏表のない世界」のアイテムである「Tシャツ」、「パンツ」、「靴下」が受賞。また、アマゾンジャパンが手がけるセキュリティカメラの「リング　インドアカム&スティックアップカム」や、ポーラ・オルビスホールディングスのサブスクリプション型のフレグランスサービス「ERAM」、SRLが手がける店舗横断ショッピングとD2Cブランドに新たな販路を提供する「E　SALON」なども受賞した。