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アスクル 1トンEV車を導入、ラストワンマイル配送で運用

2023年11月 2日 12:00

 アスクルは10月27日、展開する法人向け通販事業の商品を配送する専用車両として1トン車の電気自動車を導入した。環境負荷軽減策の一環として16年から配送車として電気自動車の導入を開始しており、現状21台を運用中。今回の車両も含めて様々な電気自動車を積極導入して使い勝手などをテストし、本格導入に備える狙い。

 






 今回、導入した電気自動車は電気自動車の製造販売などを行うフォロフライが展開する国内初の1トンクラスEVトラック「folofiy F1 VAN」(=写真)。普通免許で運転可能という。同車両の最大積載量は950キログラム。航続距離は通常は300キロメートルで積載量などが多く車両に負荷がかかった場合など下限で268キロメートル、上限は331キロメートルとなる。バッテリー容量は38・7kWhでフル充電までの時間は普通充電で6時間半、急速充電で1時間半という。

 同車両を導入した理由についてアスクルでは「普通免許で運転できる上に一度に多くの荷物を積むことができ、ラストワンマイル配送に貢献する。また、航続距離も長く、電気自動車の課題である充電の手間を軽減でき、CO2排出量削減とより効率的な配送の両方を目指せる」(同社)としている。

 同車両はまず1台のみ東京・江戸川区内の事業所向け通販事業専用の物流拠点「ASKUL東京ディストリビューションセンター」に導入(購入でなくリース)し、事業者向け通販のラストワンマイル配送を担う車両として運用する。運用しながら同車両の積極導入に向けて検討していくという。

 同社では環境負荷軽減策として2030年までに物流子会社が保有またはリースしてラストワンマイル配送に使用する全配送車両を電気自動車化するなどの目標を掲げており、今回の電気トラックの導入もその一環。すでに16年に日産の電気自動車「e‐NV200」を12台(うち10台購入、2台はリース)導入。20年1月には商品の拠点間配送のほか、ラストワンマイル配送も担う三菱ふそうトラック・バスの3・5トンの電気小型トラック「eCanter」を2台(すべてリース)、21年6月には三菱自動車工業が製造する軽商用電気自動車「ミニキャブ・ミーブ」(同)で7台を導入しており、合計で21台を運用している。

 また、22年からは電気自動車の使い勝手の検証や配送現場での効率的な車両の運行管理、最適な充電管理とエネルギー利用料最適化の効果を確認してそうした知見を電気自動車の開発・改良、導入・運用時の課題解決に活かす実証実験を開始している。

 電気自動車の導入は今後も積極的に進めていく考えで今回、導入した「folofiy F1 VAN」のように、リースで1台ずつ他メーカーの電気自動車についても25年までに順次、テスト導入を行い、本格導入に向けた検討を進めるとしている。
 
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