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オイシックス・ラ・大地 球団経営に参加、男性層にブランド認知図る

2023年11月 2日 12:00

 オイシックス・ラ・大地は、プロ野球ファーム・リーグ(2軍戦)の新規参加内定球団のメインスポンサーになる。10月26日、新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ、球団の筆頭株主であるNSGホールディングスの3社合意のもとで資本提携契約を締結。強みの「食」で球団運営を支援するとともに、男性層へのブランド認知を図る。

 







 新潟アルビレックスBCは、チームネーミングライツ方式による球団運営を導入。新球団名は、「オイシックス新潟アルビレックスBC」(=写真)になる。契約期間は5年間。

 資本提携により、球団運営にも関わる。12月末に、NSG、オイシックスの2社が新潟アルビレックスBCの株式の過半数以上を取得する予定。オイシックスは年内に少なくとも20%前後の比率で株式を取得する。出資額は、非開示。代表取締役会長にオイシックスの高島宏平社長が就任し、共同経営体制を敷く。

 球団運営を通じ、男性層の認知を高める。本業はサブスクリプション型の食品EC。51万世帯に有機野菜など食品を提供する。サービス利用では、「意思決定で男性が果たす役割も大きい」(高島社長)。認知を通じて市場の拡大を図る。

 球団経営では、アマチュアスポーツのチーム運営で培ってきた経験を活かす。日本車いすラグビー連盟理事長としては、当初100人ほどだった観客を2万人の来場を見込めるスポーツにまで育成した。本業の強みを活かし、食の提供による選手の身体づくり、観戦客への食の提供など「日本一おいしい球団」を目指す。また、「26年までに日本代表選手の誕生」を新たな目標に掲げる。

 共同経営の相手先であるNSGとも創業時から関係が深い。新潟も食材の仕入れだけでなく、学生時代の知人がいる縁で、毎年、同地で行われる芸術祭とコラボレーションするなど関わりが深い。

 ネーミングライツ取得について、高島社長は「アルビレックスの名前もいい。海外にはあるが、チーム名で複数スポーツを展開するのは日本でここだけ。スポーツエンタテインメントのあり方としてポテンシャルを感じる。各ファンがいて、会場が近いのでハシゴもできる。そうした盛り上げた方ができるのも唯一。他の都市ではできない。アルビレックスファミリーの一員として連携し、新潟モデルが作れたら」と話す。




サブスクは「暮らしの選択」<男性層認知の狙い>



 高島宏平社長(=写真)に、球団運営参加の狙いを聞いた。

 ――提携の経緯は。

 「NSGグループの池田弘会長は、創業時に多く人が野菜をネットで売るのは無理と評価されていた時代に出資いただいた恩人で、縁がある。実際の協議は数カ月だが、構想は5年を超える」

 ――本業との相乗効果の期待は。

 「プロスポーツの中でやはり野球の人気は圧倒的。企業名をつける効果は絶大だ。オイシックスの知名度には偏りがある。お父さんにも知ってもらうことで家庭の話題に上がることを期待している」

 ――球場での食提供のイメージは。

 「構想だが、来場客にサンプルを配る、”勝ち飯”のような名物をつくり、オイシックスで売る選択肢もある」

 ――男性の認知を得る狙いは。

 「サブスクリプションは暮らしの選択だ。ネットフリックスに加入するかしないか、ある暮らしかない暮らしか、家族で意思決定するケースが多い。オイシックスの名が出た時に、”なにそれ”となるか”知っているよ、野球やっているでしょ”となるのは全く違う。急速に男性客が増えていることもある。コロナ禍を経て作る人は男性というケースが増えた。マーケットチャンスを感じている」

 ――スポーツチーム運営の肝は。

 「やはりスポーツとビジネスの間には距離があり、ギャップを埋めるバイリンガル的な人材が必要だ。強いチーム、スター選手がいるチームはよい相関関係が生まれる。できないと対立的な構造ができやすい。相互理解、リスペクトを通じてよい循環をつくることが重要だ」

 ――野球界にどう貢献してきたい。

 「球界全体にコメントする立場にないが、チャレンジャーの立場で参加させていただくのは得意だし我々らしい。食の会社なので、食とスポーツの関係は関心がある。選手の成長、勝負の集中力に多くの人は関係がありそうだと感じている。ただ、具体的には分からない。明確にしていくことが自分達らしいスポーツ界との関わりと思う」

 ――通販業界もスポーツに目を向ける企業が増えている。

 「ネットと相性がいい。これまでのスポーツは地上波に乗らない限りマイナーだった。スポーツエンタテインメントはネットを使えばさまざなコンテンツを提供できる宝庫に見える。本業のコンテンツにしたい思いで参入されている人も多いのではないか」
 
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