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都城市 返礼品で産地偽装、外国産鶏肉を宮崎県産と偽る

2023年11月24日 12:00

 農林水産省九州農政局は11月14日、ヒムカ食品が生鮮鶏肉の原産地について、ブラジル産またはタイ産の鶏肉を使っていたにもかかわらず、商品の外箱に「宮崎県産」と表示をし、販売したことが分かったと発表した。同局によれば、鶏肉は宮崎県都城市のふるさと納税返礼品取扱業者2社に販売したもので、同市によると、全てふるさと納税の返礼品として寄付者に送られたという。

 同局によれば、産地が偽装されていたのは「宮崎県産若鶏もも3・3キログラム! カット済」という商品。少なくとも、昨年10月1日~今年4月30日までの間に、約144トンが販売されたという。

 都城市では、2020年10月からヒムカ食品が扱う商品を、ふるさと納税の返礼品として扱いはじめた。鶏肉のほか、食肉加工品などを扱っていたという。11月14日から同社の返礼品は全て取り扱いを停止している。

 問題の鶏肉については、昨年4月より返礼品として取り扱っていた。昨年10月以前に扱った鶏肉については「九州農政局から発表があった期間以外の産地ついては把握しておらず、市としても食品表示法についての調査のノウハウや権限を持っていないので、現時点では分からない」(ふるさと産業推進局の野見山修一副課長)としている。また、鶏肉以外の返礼品の産地が正しかったかどうかついては、ヒムカ食品に調査を求めているという。

 同市では従来、返礼品を採用する際に業者へ産地証明の提出を求めてきた。ただ、その後は返礼品の産地が正しいかどうかのチェックは行っていなかったという。同市では「産地をチェックする仕組みの導入などは今後検討していきたい」(同)としている。

 同市の22年度における、ふるさと納税の寄付額は195億9300万円で、全国1位となるなど、同市の返礼品は人気が高い。今回の事態を受け、池田宜永市長は「本市のふるさと納税返礼品提供事業者が、返礼品の産地について不適正表示を行ったことについは極めて遺憾であり、あってはならないことであると考えている。また、本市を寄付先に選んでいただいた寄付者の皆様には、心からおわび申し上げる」などとコメント。また、野見山副課長は「事業者との信頼関係を大事にしながら、適正な返礼品を送ってもらえるようにしなければいけない」とした。

 同市では複数のふるさと納税ポータルサイトに出店しているが、このうち楽天グループが運営する「楽天ふるさと納税」では20日現在、出店停止状態となっている。同市では「楽天のガイドラインに抵触したため、寄付受け付けが停止された。再開するための条件をクリアするために準備を進めている」(同)としている。
 
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