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ベガコーポレーション 店舗周辺の受注が増加、SNSと連動の送客施策奏功

2024年 2月 8日 12:00

 家具や日用品などのネット販売を手がけるベガコーポレーションでは、直営店の開設効果により、店舗周辺エリアでのEC送客が進み、受注金額が増加している。店内では各種SNSと連携した企画も行って送客効果を高めており、OMO実現のための顧客エンゲージメント施策として積極的に展開していく。

 同社ではインテリア通販サイトの「LOWYA(ロウヤ)」ブランドとして初となる実店舗の「LOWYA九大伊都店」を昨年4月に福岡市内に開設。シーズンごとに商品を入れ替え、各種イベントなどを行っている。12月には大阪市内の商業施設「なんばパークス店」(画像)に2号店を開設。オープン時には入場規制も敷かれるほど店内は大盛況になったという。

 九大伊都店について、店舗エリア周辺の福岡県内に限ったECの受注金額は、オープン時に前年同期比37・2%増となり、翌5月には同41・0%増、その後も安定して同20%増前後の推移を続けており、直近の12月でも同19・6%増を記録した。同時期の全国におけるECでの受注金額平均が前年並みか同10%減となっていたことから、店舗の開設が周辺地域のEC送客に大きく寄与していると見られる。今第3四半期の決算説明会では浮城智和社長が「人口集積地に店を出すとそれぞれのエリアが増収する。今は利益も改善しているため、これ(実店舗)を拡大することで会社全体として増収増益を目指す」とした。

 また、なんばパークス店周辺の大阪エリアにおけるEC受注金額については、それまで7カ月連続で前年同月比でマイナスとなっていたが、オープンした12月は中旬の開設にも関わらず同2・6%増とプラス成長に転じた。本来、12月の下旬は年末に近いため年内配送が難しく、売り上げが落ち込むようなタイミングでありながら、わずか半月程度で増収に貢献したという。1月以降の水準はさらに同地域での受注金額が上昇することを見込んでいる。

店内からSNSで配信企画も

 また、同社では現在、公式スマホアプリのダウンロード数が104万件、「インスタグラム」では94万フォロワー、「ティックトック」では15万フォロワー、「ユーチューブ」では7万チャンネル登録者数を抱えている。実店舗展開と平行しては、これらのファン層に向けてもSNSとリアルが連動する形でのマーケティング施策を行っている。

 なんばパークス店がオープンした際には店内から「インスタライブ」を配信。ショートムービーを通じて、新商品や実店舗、お役立ち情報などを発信しており、中には600万再生を記録するなど、ECや実店舗への集客につながったという。

 なお、2月10日には、名古屋市内の商業施設に全国3店舗目となる実店舗の「名古屋みなと店」を開設する。売り場面積は約260平方メートルで、SNSでも話題となった家具やコーディネート商品を展開。顧客とのコミュニケーションを図るOMO拠点として運営していく。今後も東京など都市部での4店舗目開設を視野に入れており、リアルを起点とした戦略を強化していく考え。
 
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