「デリ」を中核的商品に【冷蔵庫総菜宅配開始の狙いと勝算 オイシックス・ラ・大地 サービス開発本部サービス進化室 Ready to eatチームマネージャー 荒川桃子氏】 サービス全体でニーズに対応する
2024年 5月 9日 12:00
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――目標とする1000万食の達成の見込みは。
「ターゲットとなる共働き世帯1200万世帯のうち0・5%を獲得すれば達成できる。そのためのPRプランを今練っている」
――競合となるサービスは。
「競合は顧客の『自炊』だと考える。ミールキットで家族が満足するメニューを提案してきたノウハウがある。1日分のデリをミールキットや牛乳、パンなどと一緒に購入することが可能で、幅広い食のニーズに対応できる」
――競争が激しい中食市場でどう差別化するか。
「顧客にはまず体験してもらいたい。デリだけを販売する他のサービスとは異なり、デリ以外の品ぞろえがあることが強みになるだろう。デリは1日分から、牛乳やパン、ミールキットなどと一緒に購入可能で、食品宅配サービス全体で顧客の幅広い食のニーズに対応できる。多様な品ぞろえがあることを、顧客がサブスクを利用する際の意思決定のポイントにしたい」
――なぜこのタイミングだったのか。
「市場調査と、製造やインフラの整備を行い準備した。100時間以上にわたる顧客インタビューや配送テストなどを経て、事業を立ち上げた」
――「デリOisix」で新規顧客を獲得する。
「最初は自社顧客向けに提案し、続いて新規顧客層に向けてメニューを提案する。これだけしか買えないサービスにするつもりはないが、デリを中核的な商品と位置付けたい。今後は、5食分もニーズがあれば展開したいが、消費期限をントロールする工夫が必要」
――中食市場は参入企業が多い。勝算は。
「食品宅配『Oisix』はミールキットをフックにトライアルから定期購入に引き上げ、定期購入者数は38万以上に拡大している。ノウハウを持ったメンバーと一緒にPRプランを検討している」
――サブスクは割引訴求するウェブマーケが主流だ。
「割引訴求を含めて検討している。ただ、1回ごとの割引率は低いが4週間体験のほうが良いのかは、実験していかないとわからない。複数パターンをテストしていくことになるだろう」
――ゲームを用いたウェブマーケティングが得意だ。
「ゲーム性のあるマーケティングの施策も検討していく。勝ちの形であればそこにはめるやり方もある。割引せずに需要があれば割引せずに訴求するかもしれない。いろいろな道筋を踏まえてパターン実験をしたい」