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セシール、短サイクル対応の事業確立へ、FFの新サイト開設

2010年12月 2日 10:31

コーデを毎日提案、商品調達など刷新

セシール(本社・高松市、上田昌孝CEO)は、従来のカタログと一線を画した短サイクル・小ロットのファストファッション事業の構築に取り組んでいる。この一環として11月22日に開設した通販サイト「hare ame kumori(ハレ アメ クモリ)」では、新たな商品調達の仕組みやフラッシュマーケティング的な販売手法を導入するとともに、コミュニケーションを重視した情報発信機能を付加。トレンドに対応した商品を展開するビジネスモデルを確立し、カタログでは取りきれなかった客層の開拓につなげる構えだ。
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11月22日に開設した「ハレ アメ クモリ」は、20代後半の働く女性をターゲットにしたもので、「大人可愛いきれいめカジュアル」をテーマにアパレル商品や服飾雑貨を展開する。スタート時点の取扱商品数は約180品目で、一部カタログ掲載商品のほか、メーカー企画商品、同サイトオリジナル商品を販売。中心価格帯は3900~4900円で、毎週40~50品目程度の新商品を投入していく。

 同サイトでは、トレンドを反映した情報提供に力を入れており、日替わりの「1日1コーディネート」をピックアップし紹介。さらにコーディネートで紹介した商品の一部を、その日1日限定50%オフで販売(数量限定)するなどフラッシュマーケティング的な要素も取り入れている。このほかにツイッターや動画などを使い、リアルタイムの情報提供や顧客とのコミュニケーション作りを行うことも計画する。

 この「ハレ アメ クモリ」は、ネットの特性を活かした短サイクル・小ロットのファストファッション事業の構築を目指したもので、全社的にも新たな事業に育成していく考え。今年8月の企画立案後、9月1日付で担当部門のファストファッション事業部を新設し、準備を進めてきた。

 今回の取り組みは商品調達がひとつのポイントになるが、この部分では、従来のカタログで大ロットの商品を扱う通販向け専業の取引先ではなく、小回りのきく中小規模メーカーを中心に新規の取引先を開拓。現在の取引先は20~25社で、国内外に自社工場を持つところが多い。現状、数十枚単位の発注だが、ネットの可能性に期待する取引先が多く、新たに売り込みにくる業者も少なくないという。

 一方、サイト運営の面では、担当MDがターゲット層と同じ年代であることを踏まえ、リアルタイム性のある"顧客目線"の情報提供を重視。具体的には、ツイッターでバイイングの進捗状況を呟く、あるいはモデルの撮影風景を動画中継することなどを構想しており、12月中にも各機能を付加。来年1月にはモバイルサイトも設ける計画だ。

 セシールでは、ファストファッションブランドとして「アニタ・アレンバーグ」を展開しているが、F1層新規顧客以外にセシール既存顧客の利用も視野に入れた形となっている。これに対し「ハレ アメ クモリ」では、敢えてセシールブランドは前面に出さず、セシールとは別サイトで展開するなど新たなブランドとして訴求し、20代後半の新規顧客獲得に特化。来春頃までをテスト期間と位置付け、それ以降、展開の拡大を図る考え。


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