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分科会は医薬品通販規制に対する基本的な考え方として、特に問題のなかった販売形態の規制により、消費者の利便性の毀損や事業者間の公平性の阻害が発生しているとするほか、対面による第1類医薬品購入時の情報提供が5割程度しかないという調査結果などから制度が定着していないと指摘。さらに「薬事法」施行当時は現在のようなITの進化は想像すらされていなかったとした上で、テレビ電話等を使い薬剤師等の専門家と意思疎通を図れる販売体制を確立すれば、医薬品が安全に販売できるとしている。
これを踏まえた規制改革案として、販売履歴の管理や購入量の制限など安全性を確保しながらネット等で医薬品を販売できるルールの制定、テレビ電話やファックス等を使いリアルタイムで専門家の情報提供を受けられる体制の確保を条件に、店舗の薬剤師や登録販売者の常駐義務を撤廃する内容を示している。
今後、分科会では規制改革案について関係省庁などと協議を行い、2月下旬をメドに開催される第16回行政刷新会議で「規制仕分け」の対象項目を決め、3月上旬に2日間の日程で「規制仕分け」を開催する予定だ。
医薬品通販規制が規制仕分けの対象になるかについて、行政刷新会議の規制・制度改革担当事務局(担当事務局)は、「厚労省との協議次第。規制緩和で合意すれば、仕分け対象にする必要はない」とする。
ただ、これまでの医薬販売制度に関する検討会や行政刷新会議が行った公開討論などで厚労省側が対面販売に固執する主張を繰り返してきた経緯などを考えると、何らかの抵抗をしてくることは必至と言え、医薬品通販規制が仕分け対象になる可能性は高そうだ。
医薬品通販規制を巡っては、仮想モール運営事業者がサイト上で顧客等から意見を募るほか、ケンコーコム等が国を相手取った行政訴訟を提起していることなどから注目度は高い。また、国民の生活に直結する問題という点から、「規制仕分け」の場で目玉になることは間違いないが、ネット販売事業者側では「現在の規制を見直す動きは歓迎するが、素案がそのまま通り、規制緩和につながるのかは不透明」(ケンコーコム)と慎重な見方だ。
一方、担当事務局側は医薬品通販規制について、「経過措置が今年5月で切れるため、来年度の手当てでは遅い」としており、厚生労働省側に規制緩和を強く求めていく意向を示唆。この問題を扱う内閣官房の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)専門調査会と、厚労省と協議の進め方などに関する話し合いを行うこともあり得るとの考えを示している。
5月の経過措置の期限切れを前に、医薬品通販規制見直しの流れを作り出すことができるか、規制仕分けの行方が注目されるところだ。