情報流失事件発生、顧客離れを食い止めるには

2010年10月21日 12:15

2010年10月21日 12:15

  先日ある通販サイトから、個人情報流失に関する謝罪メールが来た。セキュリティ関連の取材をするようになって長いが、被害の当事者となったのは初めてだ。

 流失したのはサイトのIDとパスワード。どちらも忘れていたが、他のサイトと同じものを使っている可能性があるだけに放ってはおけない。すぐに窓口に問い合わせたところ、IDはメールアドレスと判明。パスワードは後でメールで送付してもらうことになった。

 ID・パスはいろいろなサイトで利用できるだけに流失は大問題。しかし記者は知識があったから良いものの、ID・パス流失と聞いただけでは「大きな問題ではない」と勘違いする利用者もいるのではないか。危険性をきちんと知らせる必要があろう。

 もう一つの問題はカード番号だ。カードを使った記憶はあるものの、どのカードかが分からない。「カード情報は流失していない」との説明はあるものの、今ひとつ信用できないのが正直なところ。サイトのFAQに「注文時に使用したカードがどのカードか分からない場合は窓口で確認する」との記述があったため食い下がったが、「データを現在所持していないため分からない」とのこと。対応にやや不満が残った感があるのは否めない。
 こうした事件が起きれば、今後そのサイトを使いたくなくなるのは当然。顧客離れを最低限に食い止めるためには、起きる可能性のある不利益をすべて説明し、できる限りの情報を公開することから始めるべきだろう。

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