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スクロール、テレビ通販会社に出資、10月から協賛型番組放映

2011年11月 4日 10:30

スクロール(本社・浜松市中区、堀田守社長)がテレビ通販を開始した。6月に、テレビ通販会社のスマイルテレビ(本社・東京都港区、佐々木敏郎社長)に20%出資。スマイルテレビでは10月から、協賛型のテレビ通販番組「スマイルショッピング」を放映している。番組を編集した動画を掲載するなど、通販サイトでも商品を販売する。同社では2016年3月期の連結売上高1000億円を目標としており、テレビの活用で新たな販路を開拓し、売り上げ増につなげる。


10月に放映された番組で、スクロールはヘアブラシや女性用のムダ毛処理機を提供した。2カ月に一度新番組を収録し、全国の地上波各局で放映する。今後は化粧品や健康食品なども提供する予定だ。

 スマイルテレビは、東京テレビランドの創業者で元社長の佐々木敏郎氏が立ち上げたテレビ通販会社。スクロールが筆頭株主となっており、ほかには講談社系広告代理店の第一通信社、物流関連のアップル流通が出資している。

 スクロールがテレビ通販で商品を販売するのは初めて。堀田社長は、出資の狙いについて「テレビとネットを融合したビジネスモデルを確立するため」と説明する。テレビで露出度を高めながら、動画を活用したネット販売や、折込チラシなどでも商品を販売。媒体費用に見合うだけの売り上げを上げるために、さまざまなメディアを活用して採算を取る。

 同社の2011年9月中間期の連結売上高は、前年同期比3・0%増の291億5500万円、営業利益は同2・1%減の15億2400万円、経常利益は同2・9%増の17億2300万円、当期純利益は同10・5%増の9億9300万円だった。東日本大震災の影響が軽微だったことや、販売管理費の削減を進めたことで、売上高・利益ともに期初の見通しを大幅に上回った。

 セグメント別では、通販アパレル事業の売上高は同1・1%減の122億3800万円、セグメント利益は同33・1%減の5億1500万円。在庫の早期処分で原価率が上昇し、大幅な減益となった。

 一方、クールビズ対応商品が好調だった通販インナー事業の売上高は、同15・3%増の50億9700万円、セグメント利益は同6・7%増の4億8000万円。通販非アパレル事業は、コンビニで配布した雑貨カタログの売り上げが好調に推移し、同5・4%増の86億4900万円、セグメント利益は同150・4%増の5億5800万円となった。

 10年3月期までの「通販事業」「生協事業」という区分では、通販事業の売上高が同9・4%減の約65億円、生協事業の売上高は同10%増の約174億円。通販カタログの発行部数を絞り込む一方で、生協カタログは部数を増やしている。

 2012年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比6・3%増の600億円、営業利益が同18・2%増の19億円。コンビニ配布が好調な雑貨カタログの伸びが貢献し、下期の通販事業売上高は前年同期比で20%増となる見通し。

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