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イッツ・コミュニケーションズ、リモコンでクーポン購入、TV画面上からそのまま

2011年11月 4日 10:34

 東急グループでCATV会社のイッツ・コミュニケーションズは11月中旬からケーブルテレビ専用チューナーを使い、共同購入型のクーポンをテレビ画面上で購入できるサービスを開始する。東急沿線の名店やレストランのディナーなどをコミュニティチャンネル内で紹介し、そのままリモコンを使ってテレビ画面から購入できるというもので、自社のリソースを活用してユーザーの利便性を高めていく。


 同社がクーポン共同購入サービス「ポニッツ」を開始したのは昨年12月。渋谷周辺のほか田園都市線や東横線沿線エリアの飲食店などのクーポンを割引価格で提供する。商品は同社のコミュニティチャンネル「イッツコムチャンネル」内の30分番組「ポニッツ」で1日8回放映し、店舗やサービスの内容を紹介。番組で紹介された商品はクーポン共同購入サイト「ポニッツ」を通じて販売するという仕掛けだ。
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 番組で使った映像の一部はサイト内でも使用。動画を使うことで臨場感を高めて訴求する。また、こうした動画素材は新規の店舗営業の際にタブレット端末iPadで見せ、サービスの説明などに利用しているという。

 これまではテレビ番組で紹介したクーポンはPCやモバイルのサイトから購入する必要があった。しかし、購買状況を見ると番組の放送中にクーポンが売れているという傾向があった。そこで今回、テレビ画面上でそのままクーポンが買えるサービス「リモコンで!ポニッツ」を開始する。

 サービスは、双方向ケーブルテレビ専用チューナー機器「HitPot」の利用者が対象となる(9月末で3万5738台を提供)。

 仕組みは、リモコンの「ブラウザ」ボタンを押すと画面が切り替わり、「ポニッツ」を選択して画面の案内に沿ってクーポンを購入すると、会員登録されているメールアドレスにクーポンが届く。ただ、会員登録はサイト上でしか対応していないため、新規ユーザーは一度サイトから登録を行う必要がある。

 新サービス開始時にはテレビで購入する場合だけの限定商品を投入する。その後はテレビとネットで同じ内容の商品を提供していくが、テレビ画面からの購入状況を検証して次の施策も検討していくようだ。

 「ポニッツ」の会員は約2万4000人(9月末時点)で、9割以上は東急沿線の生活者。年齢別で見ると45~49歳が最も多く、40、50歳代といった比較的高めの層の利用が目立つ。ウェブサイトだけで展開する企業とは異なり、テレビを使って訴求するためネットショッピングに不慣れな顧客層を取り込んでいる。 店舗への営業も独特で、同社の募集に応募して選ばれた十数人の地元の主婦が行い、自分たちが良いと思う店舗と直接交渉して契約をとってくる。加えてCATVの加入営業を行う営業マンも店舗の開拓にあたっている。

 このように独自の展開を行う同社。新サービスでもCATV会社ならでは強みを発揮して、テレビとネット双方でシナジーを高めていく方針だ。


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