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越境EC普及策本格化、経済産業省、今春以降サイト開設へ

2012年 2月 9日 14:17

被災地企業の海外事業支援、情報提供も強化

経済産業省は、インターネットを活用した中小事業者の海外事業展開の支援に取り組んでいる。昨年6月に取りまとめた「中小企業海外展開支援大綱」の中で、"インターネットを活用した新規市場開拓支援"を掲げており、この一環として「震災復興のための越境EC支援事業」として平成23年度補正予算で1億5000万円の予算を確保。今春以降、支援事業者のサイトが順次開設される見込みだ。
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 「震災復興のための越境EC支援事業」は、東日本大震災で被災地の事業者や被災地関連商品を扱う事業者の海外向け仮想モールの出店費用などを支援するというもので、平成23年度第3次補正予算で1億5000万円の予算を確保している。

 大まかな仕組みとしては、ECに関する調査・研究などを行う民間団体が補助事業者となり、支援を希望する事業者(支援事業者)の海外向け仮想モールへの出店や通販サイトの構築・運営を支援する。

 補助事業者については、昨年12月27日から今年1月下旬にかけて募集。経産省では、補助事業者の応募状況の詳細は公表していないが、システム開発など、ネット販売の周辺事業者関係の応募が多かったようだ。

 補助事業者は支援事業者に対し、海外向けの仮想モール出店や通販サイトの構築および運営、海外消費者向け広報活動の支援を実施。また、インターネットやセミナーで同支援事業での成功モデルを紹介し、他の事業者への越境ECの普及啓発を図る。

 補助事業者については、審査委員会での申請内容などを審査した後、2月下旬頃までに決定する予定。プロモーション手法の多様性の観点などから、複数の民間団体を補助事業者に選定する可能性もあるという。

 一方、海外仮想モールなどに出店する支援事業者については、補助事業者を通じ3月下旬頃から募集する予定で、150~200社の支援を計画。経産省では、獲得した予算1億5000万円のうち、仮想モール出店などの販売サイト構築支援で1億円程度(費用の半分を支援)、海外向け広報や越境EC成功事例の普及啓発関連で5000万円程度(定額支援)を想定。仮想モールによって出店に必要な費用は異なるが、出店費用や広告費などを合わせた1支援事業者あたりの金額上限は50万円程度になると見る。

 支援事業者の越境ECサイトは、今春以降、半年程度をかけて順次開設する計画。支援期間は、支援開始から6カ月もしくは同支援事業の終了日までになる。

 経済産業省はネット販売について、「産業振興を図る上で重要なツール」(情報経済課)とし、特に、中小事業者の海外事業展開の有効な手段との見方。

 2月3日には、越境EC参入を検討する事業者向けに関連情報を提供する支援サイトも開設しており、越境ECの拡大に向けた支援や普及・啓発の取り組みに本腰を入れている状況だ。


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