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JECCICA・川連一豊代表理事、「人材育て市場拡大に貢献」、ECコンサル育成団体設立

2013年 4月25日 14:28

6-1.jpg3月4日、ネット販売のコンサルタントを育成する団体「ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)」が設立された。代表理事にはサバウェイの川連一豊会長が就任。ネット販売コンサルタントを中立な立場で養成・認定するサービスは日本で初めてという。川連代表理事に団体設立の目的や、コンサル育成プログラムの詳細などを聞いた。

JECCICA設立のきっかけは。

 「ECコンサルタントといっても玉石混交で、質の統一がされていない。能力を示す指標がないため、コンサルタント料金は安いことが多く、それだけではなかなか食べていけない。一方で、通販サイトの店長への営業攻勢だけは力を入れて、実際にはコンサル的なことを何もしなかったり、あるいは自作自演レビューの投稿を薦めたり、モラルなく金儲けだけに走るECコンサルもいるのも事実。ECに精通し、ショップにきちんと助言ができるコンサルを育成し、金儲け主義のコンサルとの差別化を図ることで、健全なEC市場の育成に貢献したいと考えた」

 こうした団体の設立は以前から考えていたのか。

 「人材育成をするための人材が足りない状況を踏まえて、3年前ほど前から考えていたが、こうした教育関連の事業はあまり儲からないので、サバウェイの中でやるのは難しかった。ただ、昨秋サバウェイの社長を譲って会長となり、現場から一歩引いた形になったことで、団体の立ち上げに至った。代表理事は私が就き、ECコンサルカンパニーの江藤政親社長、HMVジャパンの社長を務めた経験もある、フォーセンス・パートナーズの雨宮雄一社長に理事をお願いしている」

 会員企業は。

 「コンサル企業が対象の正会員と、決済・広告・物流などが対象の賛助会員は、4月20日現在でツーウェイシステム、GMOペイメントゲートウェイ、フォーセンス・パートナーズ、ECコンサルカンパニー、サバウェイの5社で、初年度の会員数は20社程度となる見込みだ。仮想モールなどが対象となるサポーターという制度もあり、楽天やヤフーにも声をかけている」

 コンサル育成の具体的なプログラムは。

 「5月からJECCICAの認定講座を開講する。費用は3カ月コースが40万円、2泊3日コースが10万円。3カ月コースは初心者でもネットショップ運営を基礎から学べるものだ。カリキュラムは、私が作った通販サイトのシミュレーションゲーム『ネットショップ店長ゲーム』を元にしたもので、Eラーニングが中心。実際にウェブページ作ってもらったり、アフィリエイト課金の仕組みを知ったり、キャッシュフローの動きを学んだりなど、非常に実践的なものだ。卒業試験としては、実際に通販サイトを作ってもらい、理事同士で検討する形を考えている。店舗運営ノウハウを一貫して勉強できる場所は他にはないと自負している」

 「講師は私と理事のお2人のほか、元ドクターシーラボ社長の池本克之氏、ネットショップ総研社長の長山衛氏など、実績のある著名な方を揃えている。講座を卒業すれば必ずECコンサルタントとして独立し、商売ができるはずだ」

 資格の種類は。

 「上からプラチナ・ゴールド・スペシャリストの3種類で、上の資格を持つ者が下の資格の人間を育成することができる。各資格とも、半年に1度開催するカンファレンスへの参加が必要で、未参加・欠席の場合には資格が1段階下がる」

 その他の活動は。

 「コンサルタントが守るべきガイドラインも作りたいと考えている。また、当団体が認定する資格がないとECコンサルタントとして認められない、と思ってもらえるように資格の認知度を上げていきたい」

 「ネット販売の流通額を伸ばすためには人材が必要だ。現在でも、何も知らずにネットショップを始める人はかなりいるが、一歩目に変な方向に踏み込んでしまうケースは多い。それを助けるためのコンサルタントは必要だし、そのための人材を育てていきたい」

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