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TSI ECストラテジー 「セレクソニック」を全面刷新、ウェブ接客強化で顧客深耕

2014年10月16日 14:46

051.jpg TSIホールディングス傘下のTSIECストラテジーは10月10日、グループで展開する約25のファッションブランドを扱う自社通販サイト「セレクソニック」を全面リニューアルし、サイト名も改称した。顧客のロイヤルカスタマー化を図る目的で会員限定受注会の強化やサイトへの商品アップの迅速化などを進めるほか、ウェブ接客を重視。同じ商品でも画像ごとに説明文を変えたり、キュレーション機能を追加することで他社ECモールとの差別化にもつなげる。

 新しい通販サイト名は「MIX.Tokyo(ミックスドットトウキョウ)」(画像)。

 既存顧客のロイヤルカスタマー化を通販サイトのミッションに掲げ、利用頻度が高まるサービスや機能を充実させる。

 同社では、新作の先行受注会やウェブ上でのファミリーセールなどをトライアルしてきたが、例えば人気ブランド「ジルスチュアート」の先行受注会を他社ECモールと同時期に開催したところ自社サイトの方が7倍売れるなど、当該ブランドの固定ファンが多いことを再認識したことから、受注会の対象ブランドを増やしたり、受注会の特設ページを強化することで顧客の期待に応える。

 また、刷新前はデジタルマガジンなどのオウンドメディアやリッチコンテンツにも力を入れていたが、「顧客にとっては、より早く商品が見れたり、限定品があることの方が大事」(柏木又浩社長)とし、今回の刷新時に撮影した写真や商品情報をアップする仕組みを内製化したのに加え、最短で画像をアップできるように撮影のフロー自体を見直した。

 具体的には、従来はほぼモデルの着用画像を掲載していたが、メーン画像は原則、置き撮りとし、マネキン着用でさらに十数カットを見せる。ただ、核商材などは最旬アイテムを見せる「ルックブック」コンテンツ用にモデル着用画像を撮影するため、こうした画像も活用する。

 また、同社では顧客を深耕する上で欠かせない取り組みとして"ウェブ接客"を重視。今回、ベンチャー企業のプレイドが手がけるウェブ接客ツール「カルテ」を導入。サイト訪問客の属性をリアルタイムで解析し、属性に合った割引クーポンをパソコンやスマホの画面上に表示するサービスを試すという。

 商品詳細ページでは、同じアイテムであっても、画像ごとにキャプションを変更できるようにし、商品の隅々まできちんと説明できるようにしたほか、来春をメドにキュレーション機能を実装。スタイリストやブランドのMD担当者、出産などを機に在宅ワークを行う元店頭販売員などがプロの目線で商品の良さを伝える場を商品詳細ページに設けることで、より深いウェブ接客を目指す。

 機能面では、スウェーデンのバーチャサイズ社が開発した仮想試着サービス「バーチャサイズ」を導入した。これは、手持ちの服のサイズ情報を入力しておけば、購入したい商品と自分の服とのサイズの差をシルエット画像で確認できるサービスだ。

 サービス面ではポイント制度を刷新し、会員ランクに応じてポイント還元率を3%~最大10%に設定したほか、ギフトニーズの高まりから無料のギフトラッピングや顧客の自宅以外に届けるギフト配送も始めた。

 また、梱包についてもテープなしで蓋が閉じ、カッターを使わずに開封できる段ボールを使用。段ボールの表面にはファッションアイテムのイラストが入ったデザインとし、商品が届いたときの満足度が高まるようにしたという。

 今後は、「ミックスドットトウキョウ」に店頭在庫表示や店頭受け取りといったオムニチャネル化につなげる機能も追加する計画のほか、来期にはグローバルEC化を視野に東京からファッションを発信する。

 なお、サイト名を改称したこともあり、プロモーション面ではウェブ広告のほか交通広告も展開。10月15日~21日の1週間、東京メトロの複数車両で中吊り広告をジャックし、サイトの認知度向上につなげる。
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