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ACD 中国ECで日本酒好調、「618商戦」で前年比1.5倍

2024年 7月 4日 12:00

 ANAホールディングスが出資する越境ECサービスなどを手がけているACDは、毎年6月18日に開催される中国の大型ECセールイベントである「618商戦」において、現地の大手モールなどに出店している各店舗での流通総額が前年比で約1・5倍になったことを明らかにした。

 同社では昨年6月に出店した中国版の「TikTok」である「抖音(ドウイン)」において、商戦前の5月17日に清酒焼酎カテゴリーのトップKOLと連携したライブコマースを実施。中国初進出となる日本酒メーカーの田部竹下酒造の「理八」(画像)を動画などで紹介したところ、準備していた商品が3日で完売。商品ランキングでは3位を獲得したという。また、「天猫」でも同ブランドの商品のアクセス数、販売数が増加するなどの波及効果が見られたとした。

 同商品は中国初上陸のためこれまで認知がなかったが、商品にマッチしたKOLの選定とライブコマースによる丁寧な説明が、購入につながったとしている。

 結果的に「天猫(淘宝を含む全店舗)」と、「京東(ジンドン)」、「ドウイン」の各出店先の清酒焼酎カテゴリーにおけるデイリーランキングにおいて、それぞれ1位を獲得することができた。また、全体の流通総額では過去最高となる前年比149%、集客数は同111%、購入件数は205%を達成した。

 なお、同社によると同商戦期は11月11日の「独身の日」と並ぶ中国の大型商戦期となっており、今年は1日だけでなく、イベント時の恒例の事前予約期間がない1カ月間の長期戦で開催。期間が長かったことから、消費者は冷静に商品を見定めて購入するなど、例年ほどの盛り上がりは見られなかったとする。

 実際に現地の大手総合ECモールやライブ配信プラットフォームにおける期間中の累計流通総額は前年比7%減の7428億元(約16兆4500億円)となり、観測を開始した2016年以来初めて減少に転じたという。

 加えて、期間中の5月後半には、日本産食品を対象とする中国税関の通関書類のルール変更があり、イベント用に準備していた商品の通関が難しくなるなど、追加商品の通関が間に合わない事態も起きていたという。市場全体で見るとマイナス成長で消費が落ち込む結果となった。

 
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