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好調ネット販売企業の研究、フジヤカメラ店 メーカー仕入品2000点掲載、会員制廃止でアクセス数増加

2010年 3月15日 07:37

カメラや周辺機器の販売を行うフジヤカメラ店(本社・東京都中野区、大月浩司郎社長)は、2007年からネット販売を本格的に開始。これまで通販事業で主体としていた紙媒体では扱いきれなかった商品販売や、新しい顧客の獲得を目指している。

 同社の通販の歴史は古く「戦後当時はカメラ雑誌がいくつかあり、その中で広告を掲載して、地方向けに郵便を使って販売していた」(大月社長)とする。

 ネット販売を始めたきっかけは、グループ会社の「ジャックロード」や「ベティーロード」での腕時計ネット販売の成功事例が大きかったという。毎年右肩上がりで成長する状況に注目し、2001年に開設していた、商品紹介や中古カメラの買い取り案内が主体だった自社サイトを、07年に大きくリニューアルした。

 ネット販売は実店舗と比べて顧客層が若く、最近の傾向として若い女性が増えた。カメラ付き携帯が広く普及したことで、手軽に撮影を楽しむ新しい世代が育成されたという。

 取扱商品は大半が新品で、「ニコン」や「PENTAX」といった大手メーカーのカメラ本体、周辺機器など約2000点、中古商品は約100点。100円のパーツから200万円以上する高額レンズなど、幅広い価格帯の商品を取り揃えている。

 2009年8月期の売上高は実店舗を含めて50数億円。通販事業の比率はその内の22―23%で、ネット販売の比率は約8%を占める。2010年8月期の売上高はほぼ横ばいの見込みで、通販事業比率は25%程度に増加すると予想。ネット販売比率も10%程度に伸びると考えている。

 業界の慣例もあり、これまで通販サイトでは、販売価格を会員だけにしか公開していなかった。しかし、他の通販サイトが乱立するという時流もあり、今年2月には会員制度を廃止。会員登録なしでも、価格を閲覧できるようにサイト内容を変更した。その結果、アクセス数は2―3割以上伸びた。

 「ネットであれば常に最新の在庫・商品情報が更新できる。リアルタイム性のニーズは高まっていると感じる」(同)とする。

 ここ数年の平均購入単価は、不況の影響をあまり受けることもなく、8万円程度で推移している。他の通販商品よりも高額であるため、配送には細心の注意を払う。梱包作業は自社倉庫で専任スタッフが行い、幅広い商品に対応するため独自サイズのダンボールを仕入れている。

 また、商品購入と同時に、顧客へ配送日時や補償案内を添えたメールも自動配信。中古商品に関しては、万が一不具合があった場合、着払いで商品を受け付けて、修理やメンテナンスを行う仕組み。「継続して気持ちよく購入してもらうために、返品についてのハードルは年々下げている」(同)とした。

 今後の展開としては、海外への販売を検討。新品商品や海外で取り扱っていない周辺機器を中心に、中国や欧州向けの通販サイトを開設していくことも考えている。


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