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ベクトル EC商品の取寄対応店、リアルでの販売を強化へ

2024年 5月16日 11:00

 古着の買い取り販売などを手掛けているベクトルでは、リアルでの顧客対応強化を進めている。5月2日にはファッションリユース通販サイトの「ベクトルパーク」のブランド名で、同社初となるEC商品取り寄せ対応の実店舗を岡山市内に出店。また、宅配買取関連サービスについても、対応拠点を増やすなど拡大を図っている。

 同サイトでは衣類をはじめ、バッグや靴、時計、アクセサリーなどを販売。1日に2000点以上の新着商品を入荷している。今回は、実際に手に取って商品を見たり、試着してからの購入を望む顧客の声に応え、実店舗を開設した。

 開設した「ベクトルパーク西大寺店」(画像)では30~40代、ファミリー層をメインターゲットに据えており、ECで取り扱っている常時35万点以上のファッションアイテムの中から約2000点を選定。オンラインでは取り扱いのないトレーディングカードやフィギュアといったコレクタブルアイテムのほかアウトドア用品、電化製品などの趣味・総合商品も販売している。

 店舗では取り寄せサービスを導入しており、EC掲載商品を取り寄せてから試着し、購入することも可能。送料は無料で、1人5点まで、合計2000円以上で利用できる。取り寄せ後に、イメージ違いなどによるキャンセルも可能。

 もともと同社では「リサイクルショップ ベクトル」の屋号で、直営店やフランチャイズ店を展開していたが、EC商品を取り寄せて購入できる機能などは取り入れておらず、店頭在庫を主に販売していた。加えて、同社全体の売り上げの90%以上がEC販売となっていることから、リアルの既存店については販売よりも買い取りを重視した役割を担っていたとする。

 今後はコロナ明けに伴って、リアルでの販売需要が伸びると予想。会社全体の戦略として、ネットでは販売しにくい高価格帯の商品や、送料負けするような低価格の商品を更に拡販することを狙い、リアル店舗での販売を強化する考え。

宅配買い取り拠点も拡充へ

 なお、リアルでの商圏拡大に向けたそのほかの施策として、洋服直しやリペア事業を展開するビック・ママ(仙台市若林区)と業務提携しており、今年2月より衣類品の宅配買取サービスを開始したほか、宅配買取の店舗取次サービスも始めている。

 宅配買い取りでは、申込住所に届いた宅配キットを使って査定希望の商品を回収し、最短1日で査定結果を通知。使われなくなった洋服や靴、バッグなどを買い取っている。

 また、店舗取次サービスについては、ビック・ママの対象店舗で査定品を預かり、店舗から買取センターへ発送。店舗スタッフが買い取りの申し込みをサポートするため、梱包や発送の負担を軽減し、店舗に寄るついでに不要品を売りたいという需要に応えるとする。サービス開始当初は9店舗から始まったが、現在は58店舗へと拡大した。

 今後も、リアルでの顧客接点を強化していくほか、リユースする習慣がない層に対してもリユースの体験機会を創出していき、使い捨て型から循環型のファッションへの転換を目指す考え。
 
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