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製造業への進出視野【好調ECサイトの研究 三好漆器㊦】 和歌山の漆器産業に貢献

2024年 5月16日 10:59

 「曲げわっぱ」を軸に、コロナ禍も追い風として成長を遂げた三好漆器。ただ、コロナ禍直前となる2019年頃は売り上げがやや伸び悩んでいた。三好佑紀社長は「消費税率が10%に上がった影響や、社屋移転で受注を停止していた時期があったことも大きいが、ずっと自分1人で行っていたページ制作などの業務を外注したものの、かえって効率が悪くなっていた点も大きかった」と振り返る。

 そこで、ページ制作などの内製化を推進。あわせて社員も増やした。コロナ禍ということもあり、受注量が増大したことでマンパワーが足りなくなっていたためだ。「内製の良いところはスピード感。入荷した商品をすぐにページ作成し、販売できるのが大きい。外注していたときは、発注からページ完成まで1カ月かかることもざらだった」(三好社長)。

 こうして作成したページや写真の見栄えの良さが購買につながっているほか、翌日配達サービス「あす楽」に対応している点も大きいようだ。丁寧な梱包や顧客対応もあわせて、顧客のリピート購入につながっている。

 今年1月には、「楽天市場」の優秀店舗を表彰する「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)2023」において、「キッチン用品・食器・調理器具ジャンル賞」を初めて受賞した。三好社長は「まだまだ扱いきれていない商品がたくさんあったので、商品アイテム数を増やしたことと、楽天市場が実施するキャンペーンに注力したことが大きい」と受賞の要因を分析する。

 これまでは、「楽天スーパーセール」や「お買い物マラソン」といったセール期間中、楽天カード利用者のポイント付与率が上がる「毎月5と0のつく日」を中心に販促を展開していたが、昨年は毎月1日の「ワンダフルデー(全ショップポイント3倍)」にも注力。「月初に山を作ると、その月の売り上げが見通しやすい」(三好社長)ためだ。

 一昨年には和歌山市に実店舗として「漆器のある暮らし」を出店。三好社長は「消費者の安心感は非常に高まったのではないか」とうなずく。店舗レビューでも、和歌山県下の顧客から「今度は実店舗に行ってみたい」といった投稿が散見されるようになった。また、楽天市場店で注文した商品の店頭受け取りサービスも実施しており、利用する顧客もあるという。三好社長は「チャンスがあれば店舗数も拡大していきたい」と意欲を示す。

 同社の2024年2月期売上高は約7億円。三好社長は「まずは10億円を超えていきたい」とする。同社は比較的手頃な価格の漆器を販売しているが、今後はやや高めの漆器の取り扱いも検討していく。また、大手仮想モールにおいて流れの強まる「365日出荷」への対応も課題となる。

 さらには「地場産業にもっと貢献していきたい」(同)。海南市の漆器産業は、後継者不足などにより廃業するメーカーが少なくなく、年々生産能力が低下しているのが実情という。そこで、後継者に悩むメーカーを買収し、ノウハウと設備を入手。内製化することで、欠品も減らしていく狙いもある。三好社長は「メーカーにシフトすることで、和歌山の漆器産業を盛り上げていきたい」と野望を語る。(おわり)


 
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