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当社の通販物流史・フジヤカメラ編

2010年 3月25日 18:31

 物流とともに成長した歴史。カメラや周辺機器の販売を行うフジヤカメラ店(本社・東京都中野区、大月浩司郎社長)の通販事業拡大のきっかけには、宅配便事業者が大きく関わっている。

 同社の通販の歴史は非常に古く、50年以上前までさかのぼる。当時は「アサヒカメラ」や「日本カメラ」といった大手カメラ雑誌に商品広告を出稿して、注文を受けていたという。「商品写真と価格情報だけの簡易な広告だった。当時、新商品は都市部の量販店と地方店舗の価格差が大きく、地方からの注文がメーンだった」(大月浩司郎社長)と通販創世期の状況を語る。

 受注や商品配送方法は非常にシンプルで、顧客からの注文は電話と郵便のみ。現金書留で料金を受け取り、商品を郵便小包で地方配送するという形態だった。

 あくまでも購入者の自然発生を待つ通販事業であり、売り上げの主体は小売事業。同社の通販事業が飛躍的に成長したのは、1986年のヤマト運輸の「コレクトサービス」開始がきっかけだった。「当社は同サービス利用企業の『一期生』。開始当初から参加した。代金決済が簡便で、コストや時間もかなり押さえることができるようになった」(同)とする。

 当時の郵便小包サービスには無かった、客が荷物を受け取ったその場で完結する革新的な代金引換サービスが通販の利便性を支えた。カメラという高額商品にふさわしい決済手段でもあった。現在では通販事業の売上高が十億円以上となり、全事業の2割以上を占めるまでに成長。まさに民間の宅配便事業者が支えた通販事業の歴史と言える。
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