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スクロール 化粧品の販売を強化、クレンジングクリーム、首都圏でテレビCM

2015年11月 5日 14:43

 スクロールは、化粧品子会社が扱うクレンジングクリームの販売を強化する。10月から来年にかけて首都圏でスポットCMを投下。通販だけではなく、店舗や生協ルートなどでも扱う。クレンジングクリームは通販のほか、バラエティーショップにおける外国人のインバウンド需要を取り込むことで売り上げが拡大しており、今後は販売ルートを増やすことで3年後には売上高100億円を目指す。

 同社の2015年9月中間期(4~9月)は、健康食品や化粧品を販売する「通販H&B事業」の売上高が前年同期比34・1%増の48億5700万円、セグメント損益は8億2900万円の利益(前年同期は6億9600万円の損失)と好調だった。当面は利益率の高い同事業に広告宣伝費を集中的に投下していく方針だ。

 特に、化粧品子会社・豆腐の盛田屋が販売する「豆乳よーぐるとぱっく玉の輿」が好調に推移していることから、販促を強化する。10月中旬から11月と年末年始には、タレントのIKKOさんと遼河はるひさんを起用したテレビCMを首都圏で放映。さらには、2月にも放映を予定している。2月のCMについては計画段階のため、それまでの販促で思うように効果が上がらない場合は宣伝費を削る。一方、他事業の業績が想定を上回った場合は、広告費の上積みも視野に入れる。スポット広告の投入で商品の認知度増を狙う。

 同商品は通販以外にも、すでに「ドン・キホーテ」のようなバラエティーショップや「サンドラッグ」などドラッグストアでも販売しており、中国人観光客などに人気となっている。豆腐の盛田屋の中間期売上高は、前年同期から約10億円増の約17億円だった。今後は生協の顧客や既存のカタログ顧客、さらには「BtoBtoC」として今年から展開している、全国農業協同組合連合会(JA全農)向けなど、スクロールグループの販売チャネルをフルに使うことで同商品の売り上げを拡大していく。また、今後は越境ECへの取り組みも計画しており、中国と東南アジアで展開する予定だ。

 スクロールでは昨年、衣料品カタログ「ラプティ」を休刊し、F1層向け衣料品事業から撤退し、50歳以上の女性(F3)層向け事業に集中している。近年はシニア向けカタログ「ブリアージュ」などを強化。シニア客が多い生協との取引で培ってきたノウハウを活かしている。

 10月28日に会見した鶴見知久社長は「当社グループは売上高1000億円を目標にしてきたが、カタログ通販が急激に衰退したこともあり、700億円を超えられない状況にある。少子高齢化社会を見据えて、シニア分野を中心にM&Aを進め、再び1000億円を目指していきたい」などと話した。

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