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DeNAキュレーション事業 4メディアを立ち上げ、外部通販サイトへの送客も

2015年11月 5日 14:55

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は10月30日、4つのキュレーションメディアを開始した。既存のメディアと合わせて10メディアを展開することになる。同社では、キュレーション事業の拡大プロジェクトを「DeNAパレット」と名付けて強化しており、ジャンルに特化したメディアを運営。一部メディアではネット販売との連携も開始している。今後はオリジナルの動画コンテンツや動画広告の強化を進める。

051.jpg 新たに始めたのはヘルスケア情報の「welq(ウェルク)」、自動車やドライブ旅行などのカーライフスタイル「GOIN(ゴーイン)」、節約術や投資・保険などの「Upin(アップイン)」、漫画や映画、アニメなどエンターテインメント総合の「PUUL(プウル)」。いずれもDeNAが運営している。

 同社では昨年10月、キュレーションメディアを手がけるiemoとペロリの2社を買収し、キュレーション事業を強化している。DeNA執行役員キュレーション企画統括部長でiemoの代表取締役CEOを務める村田マリ氏は、DeNAのキュレーション事業の強みについて「ライフスタイルジャンルを総合的に扱っていることと、深く掘り下げた情報を提供することでリピート率が非常に高いことだ」と説明する。

 ペロリが運営する女性ファッションの「MERY(メリー)」は、月間ユニークユーザー(UU)数が2000万に到達。毎日数百コンテンツを更新している。広告売り上げは1年間で約3倍増となっており、約80%の広告主が継続して出稿しているという。今年7月にはアプリの提供を開始したほか、12月からはテレビCMの放映を予定している。

 「ゾゾタウン」や「ランウェイチャンネル」など、外部のファッション通販サイトと提携し、記事で紹介された商品を購入できるようにしている。また、アプリの独自機能として「商品タイムライン」を導入しており、人気アイテムやセールアイテムを一覧できるようにした。アプリ経由でメディアを閲覧するユーザーが増えたことで、滞在時間も増加。2016年中には500万ダウンロードを目指す。

 iemoの運営する住まい・インテリア関連の「iemo(イエモ)」など、その他のメディアでもUUや広告売り上げが増加しており、既存の6サービス合計で、月間UU数は延べ4000万を超えた。

 2016年は動画関連を強化。生活に役立つ情報を短時間で効果的に伝える動画コンテンツのほか、広告主のサービスや商品のブランドを維持しつつ、各メディアの色にあわせて作る動画広告、さらには動画広告を複数のメディアに配信する動画アドネットワークも提供する。

 村田執行役員は「毎年のように『動画が来る』と言われて久しいが、2016年こそは動画元年になる」と予測。その理由について「スマートフォンからの動画視聴が一般的になっている。当社のメディアはスマートフォン経由の閲覧が大半で、さらには動画の制作環境や配信インフラも整ってきており、マネタイズができるようになってきた」と説明する。

 すでにiemoとMERYでは「効率的な野菜の皮むき」などといったテスト動画を公開しており、ユーザーからの反響は大きかったという。

 また、動画アドネットワーク「DeNAパレットビデオ」は、各ジャンルに関心の高い読者に動画広告を適切に配信するネットワークで、パナソニックやソニー、ライオン、キリン、P&Gなどの出稿が予定されている。
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