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ジャパネットロジスティクス 物流拠点に新マテハン導入、出荷能力が2倍に

2016年 9月23日 17:04

071.jpg ジャパネットたかたが物流体制を強化している。8月から主に関東圏の物流をカバーする千葉県内の物流拠点に新たなマテハン設備を導入した。それはピッキングしてベルトコンベアに乗せた商品に顧客情報を紐付けた伝票貼りや顧客ごとに異なる各種同梱物の選択・同封を自動的に行い、配送先の方面別仕分けまで行うもの。同社では7月から取扱商品を従来の10分の1程度まで絞り込む戦略を採っており、新マテハン導入との相乗効果で配送効率を高め、一日当たりの出荷可能件数を増やす狙い。これにより、現状、主に首都圏で実施している当日配送および当日出荷による翌日配送が可能となる件数を増やして物流サービスアップにつなげる考え。

 新たなマテハン設備はグループの物流業務を担うジャパネットロジスティクス(本社・愛知県春日井市、星井龍也社長)が運営する千葉・市川市内の「市川物流センター」に導入、8月から本格運用を開始したもの。

 同マテハン設備はピッキングした商品に顧客情報を紐付けて、2レーンを導入したベルトコンベアで移動させながら、出荷商品への伝票貼りや商品・顧客属性によって内容も枚数も異なる同社やメーカーからの案内書やキャンペーン告知などの同封書類をロボットアームによる選択同梱、出荷地域への方面別仕分けをすべて自動的に行うもの。

 これらの作業はこれまではすべて手作業で行っており、労力と時間がかかっていたが、「(導入後は)人による作業はピッキングした商品をベルトコンベアに乗せるだけ。後はフルオートメーションで方面別仕分けまで行うため、人手による作業は半分以下になり、1件ごとに違う同封物の内容確認や配送エリアへの荷物の振り分けにかかっていた時間も必要なくなった」(星井社長)という。

 なお、導入したマテハンが活用できるのはメーカーの段ボールのままで配送する荷物が対象。例えば「『布団』に『布団カバー』をつける」のように本商品にジャパネット側で付属品や関連品を付けてセット販売する場合は、それらを合わせて同社の段ボールに入れて梱包する必要があるため、これまで通り、伝票貼りや同封物の同梱などは手作業となるが、その後の荷物の自動方面別仕分けには対応している。

 マテハン設備の導入に先駆けて、ジャパネットたかたでは取扱商品を厳選することでの商品調達面や販促面、顧客対応面など様々な効率化や充実化を狙い、7月の通販サイト刷新に合わせて取扱商品数を従来の8500点から600点弱に絞り込んでいる。取扱商品の絞り込みは「様々な商品の出荷作業を行うよりも同じ商品の配送が多ければ多いほど作業効率が高まる」(同)ために、庫内作業のスピードアップにつながり、新たなマテハン設備の導入との相乗効果でより1時間あたりの出荷可能件数は従来の2倍近くまで高まったという。

 短時間でより多くの出荷処理が可能になることでジャパネットたかたが昨年からテレビ東京の午前帯の同社通販枠での紹介商品で首都圏の顧客を対象に実施している当日配送について「当日午前11時までの出荷」という"条件"への対応商品数が増えることから、通販番組内で「当日配送ができる」と訴求し販売できる商品を増やせるようになるほか、同社の通販サイトでも近く午前9時までの受注分について首都圏の顧客を対象に当日配送に対応していく考え。

 さらに1時間あたりの出荷可能件数が増えたことで1日当たりの出荷件数も大きく伸びることになるため、「当日午後6時までの出荷」が条件となる"翌日配送"への対応可能数も増えることになる。また、商品の絞り込みで原則、取扱商品はすべて在庫する方針としたために、やはり、当日・翌日配送可能商品が増えることになり、配送サービスの向上につながっているようだ。

 昨年10月に受注当日配送サービスを含む関東圏の物流体制の強化のため新設して主に季節商材や売れ筋商品などを中心に取り扱う「市川物流センター」に新たなマテハン設備を導入して出荷能力を高めたことで大型の基幹センターである愛知・春日井の拠点とともに全体で配送作業の効率化と配送リードタイム短縮を進めて配送サービスレベル向上を図り、ジャパネットたかたの売上拡大につなげていく考えだ。
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